日立エナジー(Hitachi Energy)は8月17日、中国に3億米ドル(約480億円、160円換算)を投資し、変圧器および関連部品の生産能力・技術力を拡充すると発表した。中国東部・安徽省合肥市の生産拠点を中心に設備を増強し、急拡大する変圧器需要に対応するとともに、グローバルな変圧器バリューチェーンの強じん化を図る。
今回の投資は、日立エナジーが進める総額90億米ドル(約1兆4,400億円)のグローバル投資計画の一環。同計画では、世界的なエネルギーソリューション需要の拡大を背景に、製造能力の増強に加え、エンジニアリング、研究開発、パートナーシップなどへの投資を進めている。
中国では、合肥市における変圧器および関連部品の生産能力を拡大するほか、最先端の変圧器工場、超高圧ブッシング工場を新設する。また、タップ切換器のデジタル生産ラインも立ち上げる。これらの取り組みにより、中国の製造力、産業基盤、技術、人財を活用し、地域および世界の電力インフラ需要に対応する。
背景には、AIやデータセンター、モビリティ、産業化の進展に伴う世界的な電力需要の増加がある。電力網の拡張・更新に不可欠な変圧器などのミッションクリティカルな機器について需要が高まる一方、世界的に供給能力の制約も顕在化している。今回の生産能力増強によって供給体制を強化し、こうした制約の緩和につなげる。
日立エナジー変圧器ビジネスユニットCEOのブルーノ・メレス氏は、「AI、データセンター、モビリティ、産業化の急速な進展を背景に電力需要が拡大する中、重要な電力系統機器の必要性はこれまでになく高まっている」と説明。今回の投資を通じて、中国での生産能力を強化するとともに、地域およびグローバルの変圧器バリューチェーンを強じん化し、安全で経済的かつ持続可能なエネルギーシステムの構築を支援する考えを示した。
北アジア地域責任者のジェームズ・ザオ氏は、今回の投資について、中国の製造力と産業基盤への信頼を示すものと説明。新たな変圧器工場や超高圧ブッシング工場、デジタル生産ラインの整備を通じ、中国の新たなエネルギーシステムの発展と世界の顧客からの需要拡大に対応するとしている。
日立エナジーは中国で40年以上にわたり事業を展開しており、現在11カ所の製造拠点を有する。研究開発、コンサルティング、営業、エンジニアリング、製造、サービスまで、電力機器に関するバリューチェーン全体をカバーする事業基盤を構築している。
同社はスイスに本社を置き、世界60カ国で5万6,000人以上を擁する。140カ国以上で電力、産業、データセンター、交通分野などに製品・サービスを展開している。