・フィジカルAI活用を加速
神戸製鋼所は7月22日、国産マルチモーダル基盤モデルの研究開発を進めるNoetra(ノエトラ)に出資し、同社の開発プロジェクトへ参画したと発表した。製造現場や設備運用へのフィジカルAI活用を見据え、国産AI基盤技術の確立を通じて事業競争力の強化を図る。
世界的にAI開発競争が激化する中、機密性の高いデータを安全に活用するため、データ主権や経済安全保障の観点から国内で開発・管理されるAI基盤モデルの重要性が高まっている。特に、ロボットや産業設備が現実空間で自律的に判断・行動する「フィジカルAI」の実現には、画像、動画、音声、各種センサー情報を統合的に処理できるマルチモーダル基盤モデルが不可欠とされる。
Noetraは、こうした国産マルチモーダル基盤モデルの研究開発を進めており、その取り組みは経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する国家プロジェクトの一環として実施される。
神戸製鋼所グループは、素材、機械、電力の3事業を柱として事業を展開しているが、社会環境や市場ニーズの変化に伴い、設備運用や生産現場では従来の経験や知見だけでは対応が難しい高度な課題が増加している。このため、フィジカルAIを次世代の競争力を支える基盤技術と位置付け、今回のプロジェクトへの参画を決定した。
同社は、中期経営計画(2024~2026年度)の重点施策「KOBELCO-X」のもと、「魅力ある企業への変革」を掲げており、今回の出資もその取り組みの一環となる。AI技術を既存事業の高度化や新たな価値創出につなげることで、グループ全体の競争力強化を目指す考え。今後も独自の技術・製品・サービスを組み合わせ、社会課題の解決に貢献していく方針。