大林組、JTCと建設ロボティクス分野で協業、シンガポールで技術実証と社会実装を加速

大林組は7月14日、シンガポール政府の産業開発機関であるJTCコーポレーション(JTC Corporation)と、建設ロボティクス分野の技術開発および社会実装の推進に向けた相互協力に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。JTCが提供する実証フィールドを活用し、自律型ロボットや建設重機の自動化技術の開発・実証を進め、建設現場への導入促進を図る。

日本とシンガポールでは、少子高齢化や労働力不足、建設需要の高度化を背景に、建設現場の生産性向上が共通の課題となっている。これに対応するため、両国では建設ロボットや建設機械の自動化・自律化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が進められている。

建設ロボティクスは、施工効率の向上や安全性の確保、人手不足への対応などで効果が期待される一方、導入・運用コスト、現場環境への適応性、人材育成、標準化や制度整備などが本格普及に向けた課題となっている。

大林組は中期経営計画2022で「革新的な建設生産システムの実現」を重点施策に掲げており、2024年にはシンガポールに研究開発拠点「オバヤシ・コンストラクション・テック・ラボ・シンガポール(Obayashi Construction-Tech Lab Singapore:OCLS)」を開設。現地の大学や研究機関、企業との共同研究を進めている。

今回の協業では、JTCが推進する開発プロジェクトと大林組の施工ノウハウや研究開発力を組み合わせることで、建設ロボティクスを中心とした技術開発を加速するとともに、実用化と社会実装を推進する。

初期段階では、①建設現場でのロボット活用を阻害する要因の分析と対応策の検討、②自律型現場巡回・監視ロボットなどロボティクスソリューションの実証・開発、③建設重機の自律化および遠隔操作の実現可能性の検討――の3項目に取り組む。

JTCのジャクリーン・ポーCEOは、「大林組のロボティクス・自動化技術とJTCの開発プロジェクトを組み合わせることで、現場条件や運用基準といった実務上の課題に対する実効性のある解決策を追求したい」とコメント。「ロボット適合(robot-ready)」の指標確立を通じて、新技術導入の指針づくりも目指す考えを示した。

一方、大林組の佐藤俊美代表取締役社長兼CEOは、「シンガポールでの事業開始60周年を契機に、JTCやシンガポール政府との連携をさらに強化する。JTCやシンガポール建築建設庁(BCA)の先進的な取り組みと当社のロボティクス・自動化技術を融合し、シンガポールが建設自動化技術で世界をリードする存在になることを期待している」としている。今回の協業を通じ、両者は建設ロボティクスの普及促進と建設産業の生産性向上を目指す。

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