・潤滑状態を早期検知し保全高度化へ
コスモエコパワー(東京都品川区)と日本精工(NSK)は7月1日、風力発電設備向け軸受(ベアリング)の潤滑状態を監視するNSK独自技術について、実機環境で初めて実証実験を実施し、実運用への適用可能性を確認したと発表した。両社は風力発電設備の長期安定運用と運転・保守(O&M)の高度化に向けた共同開発を進めており、今回の成果を踏まえ、技術の実用化を加速する。
風力発電は再生可能エネルギーの主力電源として導入拡大が期待される一方、設備の大型化や設置環境の過酷化、資材価格の上昇などを背景に、発電事業の競争力向上が課題となっている。設備のライフサイクルコストを左右するO&Mでは、増速機や主軸などに使用される転がり軸受の状態を適切に把握し、予防保全につなげることが重要視されている。
今回実証したのは、NSKが独自に開発した軸受の潤滑状態監視技術。コスモエコパワーが運営する風力発電設備を用いて実機環境で検証した結果、従来の振動監視では把握が難しかった潤滑状態の変化を検知できることを確認した。
これにより、従来の状態監視手法よりも早い段階で軸受の状態変化を把握でき、保全計画の検討や設備停止リスクの低減につながることが期待される。NSKによると、同技術の実機環境での実証は2026年6月時点で初めてという。
今回の取り組みでは、コスモエコパワーが風力発電設備の運用・保守で蓄積してきた現場知見と、NSKの状態監視・診断技術を組み合わせ、実用化に向けた評価を進めている。
今後は潤滑剤の交換周期の最適化や設備点検・補修の効率化を図るほか、軸受の状態変化を設備稼働へのリスクとして定量評価する余寿命予測技術の検証も進める方針。高い設備稼働率の維持、ライフサイクルコストの低減、環境負荷低減などにつながる新たなO&M手法の確立を目指す。
両社は、実証で得られた知見を活用し、風力発電設備の信頼性向上と再生可能エネルギーの安定供給に貢献するとともに、カーボンニュートラル社会の実現を後押ししていく考えだ。