・SUV・トラクター・EV三輪車でシェア首位を堅持
インドの大手複合企業マヒンドラ&マヒンドラ(M&M)は5月5日、2026年3月期(FY26)通期および第4四半期(2026年1〜3月)の業績を発表した。地政学的な不透明感や複数の外部環境の混乱が続く中にあっても、自動車・農業機械・金融サービスの各事業が堅調に推移し、連結純利益(PAT)は通期で前期比35%増(土地売却益を除くベース)、第4四半期は同42%増と力強い成長を記録した。1株当たり配当金は前期比30%増の33.0ルピーとなった。
■グループ全体の業績概要
FY26通期の連結売上高は1兆9,864億ルピー(前期比25%増)、連結純利益は1,710億ルピー(同35%増)に達した。自己資本利益率(RoE)は20.1%、1株当たり利益(EPS)は152.2ルピーとなった。第4四半期単体でも、連結売上高5,498億ルピー(前期比29%増)、連結純利益467億ルピー(同42%増)と高い成長率を維持した。
詳細な財務数値については同社プレスリリース(原文)を参照されたい。※1ルピーは、1.66円。
■自動車事業:SUV国内シェア首位を維持、EVでも存在感
自動車部門は、SUV(多目的スポーツ車)やLCV(小型商用車)において国内トップシェアを維持した。FY26通期のSUV売上高シェアは25.3%(前期比260ベーシスポイント改善)、3.5トン未満LCVシェアは52.3%(同60ベーシスポイント改善)となった。電動三輪車(EV 3輪車)においても市場シェア40.0%で首位に立っており、FY26における乗用車・商用車合計の輸出台数ではインド国内5位のメーカーに浮上した。
第4四半期の総販売台数は30万7,000台(前年同期比21%増)、ユーティリティービークル(UV)は18万4,000台。通期UV販売台数は前期比20%増と高い伸びを示した。収益性面でも、単体ベースの第4四半期PBIT(金利・税引前利益)マージンは9.5%(電動SUV受託製造を除くと10.9%、同80ベーシスポイント改善)と堅調。連結ベースでは第4四半期の自動車部門売上高が3,429億ルピー(前期比32%増)、同純利益が255億ルピー(同49%増)、通期では売上高1兆1,783億ルピー(同30%増)、純利益784億ルピー(同33%増)となった。
■農業機械事業:トラクター出荷が過去最高を更新
農業機械部門では、FY26通期のトラクター国内市場シェアが43.6%(前期比30ベーシスポイント改善)と首位を堅持し、通期のトラクター出荷台数は初めて50万台を突破し、過去最高を記録した。
第4四半期のトラクター販売台数は12万台(前年同期比36%増)、市場シェアは42.1%(同90ベーシスポイント改善)。単体ベースの第4四半期PBITマージンは19.4%、通期では19.9%(同150ベーシスポイント改善)と収益性も向上した。連結ベースでは第4四半期の農業機械部門売上高が1,002億ルピー(前期比26%増)、通期では4,257億ルピー(同20%増)に達した。また、資本効率化の方針に基づき、海外農業機械事業3社からの撤退を決定した。
■サービス・成長事業:金融・不動産・物流が軒並み好調
サービス部門では、グループ金融子会社マヒンドラ&マヒンドラ・ファイナンシャル・サービス(MMFSL)の管理資産残高(AUM)が前期比12%増加し、不良債権比率(GS3)は3.41%と安定した水準を維持した。
IT子会社テックマヒンドラは、第4四半期のEBITマージンが前年同期比326ベーシスポイント改善し、FY26通期では12.6%(同290ベーシスポイント改善)となった。厳しいグローバル環境の中でも主要案件の新規受注が進んでいる。
不動産子会社マヒンドラ・ライフスペースは第4四半期の住宅受注販売額が163億ルピー(前年同期比55%増)と急伸。物流子会社マヒンドラ・ロジスティクスは第4四半期の売上高が179億ルピー(同14%増)となり、通期での黒字化を達成した。ホスピタリティ部門のクラブマヒンドラでは室料収入(AUR)が前年同期比83%増と大幅に上昇した。
■経営陣のコメント
グループCEO兼マネージングディレクターのアニッシュ・シャー博士は次のように述べた。「FY26は地政学的逆風と複数の混乱があった年にもかかわらず、グループ各社で強力な執行力と画期的な成果が示された年となった。自動車・農業機械部門は差別化された製品と運営規律に支えられ、リーダーシップをさらに強化した。MMFSLは資産の質を安定させながら成長軌道に回帰した。成長事業群も大きなモメンタムを見せており、グループはこの不確実な時代においても加速できる態勢が整っている」。
自動車・農業機械セクターのエグゼクティブディレクター兼CEOのラジェシュ・ジェジュリカール氏は「第4四半期のSUV売上高シェアは前年同期比60ベーシスポイント改善し、首位を維持している。トラクターはFY26通期市場シェアを43.6%(同30ベーシスポイント改善)に伸ばし、50万台超という過去最高出荷を達成した。こうした市場シェアの拡大は、強固なマージン実績とともに実現されたものだ」とコメントした。
グループCFOのアマルジョティ・バルア氏は「厳しいマクロ環境にもかかわらず、グループはFY26において純利益30%超の成長という力強い業績を達成し、ポートフォリオの底力を示した。年間の力強いキャッシュ創出が財務基盤を強化し、将来の成長投資への柔軟性を確保した。この業績を反映し、配当を30%増額できることを喜ばしく思う」と語った。
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