日立建機、東南欧初の電動超大型油圧ショベル導入

・モンテネグロ炭鉱にEX2600-7E納入、脱炭素と操業効率を両立

日立建機(Hitachi Construction Machinery)は4月16日、東南欧地域で初となる電動式の超大型油圧ショベル「EX2600-7E」をモンテネグロの炭鉱に納入したと発表した。脱炭素化と生産性向上を両立する設備として、同国エネルギー基盤の高度化に寄与する。

今回納入されたのは、日立建機の正規ディーラーであるウエスト・バルカンズ・マシナリー(West Balkans Machinery:WBM)を通じて、モンテネグロ北部の炭鉱会社ルドニク・ウグリャ・プリェブリャ(Rudnik uglja Pljevlja)向けに2026年3月に引き渡されたもの。機体重量約250トンの同機は、同社が操業するプリェブリャ炭鉱で石炭採掘に使用される。

同炭鉱ではすでに「EX2600-6」(2019年導入)、「EX1200-6」「EX1200-7」(2019年および2022年導入)といった日立建機の超大型油圧ショベルが稼働している。従来はディーゼル駆動機やドラグライン設備に依存していたが、近年は高効率かつ先進的な設備への転換を進めている。

今回の電動機導入は、設備近代化と持続可能性への取り組みの一環。電動化により保守が簡素化され、長期的な運用コスト低減が見込めるほか、出力860kWの電動モーターは一定トルクを発揮し、作業効率の向上にも寄与する。

また、同機の導入により現地での排出ガスが削減され、炭鉱全体のカーボンフットプリント低減に貢献する。モンテネグロはEU環境基準への適合を進めており、こうした環境対応は導入決定の重要な要因となった。加えて、隣接するプリェブリャ火力発電所から電力供給を受けることで、輸入ディーゼル燃料への依存低減も図る。

■信頼関係を背景に現地組立・運用支援
EX2600-7Eは地域初導入機として、日本の日立建機のサービス技術者とWBMの協力により現地で組立を実施。WBMは20年以上にわたり同炭鉱と関係を築いており、納入後も2年間(または稼働8,000時間)の保証期間中、部品供給およびサービス支援を継続する。

WBMのトミスラフ・マリヤンチッチ社長(Tomislav Marijancic)は「20年以上にわたり協業関係を築いており、緊密な連携を維持している」とコメントしている。

■エネルギー供給の中核担う炭鉱
同炭鉱は年間165万トン以上の褐炭生産契約を有し、実際の生産量は150万~220万トンで推移。その85~95%がプリェブリャ火力発電所に供給され、同発電所はモンテネグロ全体の電力の40%以上を担う。残りは家庭用暖房や地域企業向けに供給されるほか、近年は輸出も拡大しており、セルビア国営電力会社エレクトロプリヴレダ・セルビエ(Elektroprivreda Srbije)との契約も締結している。

日立建機ヨーロッパ(Hitachi Construction Machinery Europe:HCME)のフベルトゥス・ミュンスター副社長(Hubertus Muenster)は「当社の電動超大型機を通じて、モンテネグロのエネルギー分野に貢献できることを誇りに思う。電動製品に対する信頼と現地ディーラーの支援に感謝する」と述べた。

なお、WBMは2026年に日立建機正規ディーラーとしての10周年を迎える。今回の電動超大型機の納入と現地組立は、両社のパートナーシップの強さを示す事例となる。

ニュースリリース