日立建機は4月17日、ザンビアのカンサンシ銅鉱山においてフル電動ダンプトラックの顧客向けデモンストレーションを開催し、環境性能と稼働性能を実証したと発表した。鉱山現場で取得した実運用データをもとに、2027年度の製品化に向けた開発を加速する。
同社は4月15日、ファースト・クォンタム社(First Quantum Minerals Ltd.)の協力のもと、「Battery Truck & Electrification Showcase」を実施。約25社30名の鉱山顧客が参加し、フル電動ダンプトラックがトロリー架線下で充電しながら走行する様子を公開したほか、停車状態での乗車体験を通じて操縦性や安定性を確認した。
今回のデモは、2024年6月から2025年8月にかけて実施した実証試験の成果を報告するもの。試験では既存のトロリー架線設備を活用し、電源の92%が水力発電であるザンビアの環境下で運用された。これにより、CO₂排出ゼロでの稼働を実現するとともに、加速性能や静音性の向上を確認した。
フル電動ダンプトラックは総走行距離4,000km以上、総運搬量3万トン超を達成し、開発コンセプト通りの性能を発揮。特に鉱山現場での実運用データの取得は、製品化に向けた重要な裏付けとなる。
また会場では、有線電動式油圧ショベル「EX5600-7E」、トロリー式ディーゼル駆動リジッドダンプトラック「EH4000AC-3」、ブラッドケン(Bradken)製のバケットや荷台なども展示。加えて、ウェンコ(Wenco International Mining Systems Ltd.)のフリートマネジメントシステムや、鉱山操業の効率化を支援する「LANDCROS Connect Insight」も紹介し、機械単体にとどまらない総合ソリューションを訴求した。
日立建機 執行役 マイニングビジネスユニット副ビジネスユニット長の兼澤寛氏は、「本実証で得られた実運用データにより、フル電動ダンプが鉱山現場で連続稼働できることが示された。最適な運用計画や架線設計の提案が可能となり、2027年度の製品化をめざす」とコメント。「多様な電源を活用しながら排出ガスゼロとエネルギー効率向上を両立し、持続可能な鉱山操業に貢献する」とした。
ファースト・クォンタム社 マイニングオペレーション・技術部門ディレクターのゴードン・ホワイト氏は、「当社のトロリー設備とザンビアの再生可能エネルギーは技術検証に最適な環境だった。今回の成功は鉱山業界の脱炭素化に向けた大きな一歩」と評価し、両社の協力関係の重要性を強調した。
日立建機は今後もパートナー企業との協創を通じて技術の高度化を進め、鉱山機械からの温室効果ガス排出量の実質ゼロ実現をめざす。なお同社は2027年4月1日付で社名を「ランドクロス株式会社」、ブランドを「LANDCROS」に変更する予定。
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