米ムーグ、次世代産業用油圧ポンプ「AXPシリーズ」を発売

・低騒音・高速性能を実現、独自の15ピストン構造で信頼性向上

ムーグ (Moog):2025年10月8日

ニューヨーク州イーストオーロラ発、高精度モーション・流体制御システムの世界的メーカーであるムーグは10月8日、産業用油圧機器向けの新型アキシャルピストンポンプ「AXPシリーズ」を発表した。次世代油圧ソリューションとして、性能、信頼性、コスト効率の最適化を実現する製品と位置づけている。

■特許取得のスリッパレス構造を採用

AXPシリーズの最大の特長は、特許取得済みのスリッパレス(摺動部品なし)15ピストンフローティング構造にある。内接ギアポンプとピストンポンプの長所を融合させた設計で、コンパクトながら高速運転が可能。低騒音動作とキャビテーション・コンタミネーション(汚染)への高い耐性を備え、射出成形機、金属加工機、耐久試験装置など過酷な環境下での使用に適している。

ムーグの電動油圧製品・ソリューション担当副社長、ハラルド・クルツ(Harald Kurz)氏は「当社はサーボバルブを発明し、機械設計のあり方を変革した。今回、OEMが真に必要とする革新的ポンプで再び変革を起こす。AXPは、エンジニアが求める性能と現場が要求する信頼性を提供する新基準となる」とコメントしている。

■主要機能と優位性

多様な運転範囲 ゼロ速度での圧力保持から高速域でのダイナミック性能まで対応。省エネルギー化、モーター小型化、適用範囲の拡大を可能にする。

静粛性と滑らかな動作 15ピストンフローティング設計と防音最適化ケースにより、脈動と騒音を低減。作業環境の改善と高精度モーション制御を実現する。

堅牢性と耐久性 部品点数を削減したシンプルな構造、特許取得のスリッパレス設計による低吸入圧への感度低減、外部ドレン機構により、システム全体の信頼性を向上させ稼働率を最大化。

■コンパクト・スケーラブル設計

高いパワー密度と100%スルードライブ対応により、省スペース化と流量の柔軟な拡張が可能。
優れた性能対価格比 長期的な価値提供を重視した設計で、機器性能を最適化しつつコスト効率の高いシステム構築を支援する。

■幅広い産業分野に対応

AXPポンプは、建設機械、マテリアルハンドリング、射出成形、ダイカスト、金属加工、船舶システム、一般産業機械など広範な用途に適用可能としている。

ムーグは今回の製品投入により、産業用油圧技術における新たな標準を確立し、顧客の効率性、信頼性、収益性向上に貢献する姿勢を明確にした。同社は「完璧なバランス、妥協なし(Perfect Balance. Zero Compromise)」をスローガンに、ミッションクリティカルなソリューション提供を継続していく方針。

■ムーグについて

ムーグは高性能精密モーション・流体制御および制御システムの設計、製造、システムインテグレーションを手がける世界的企業。軍用・民間航空機、人工衛星、宇宙船、ロケット、防衛システム、ミサイル、産業用自動機械、船舶、医療機器向けの高性能制御システムを提供している。​​​​​​​​​​​​​​​​

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