三井物産、米国テキサス州での電力垂直統合事業への投資を拡大

 三井物産は5月9日、米国テキサス州における設備容量150MW(15万kW)の太陽光発電所開発を最終投資決定し、着工したと発表した。2026年に商業運転開始予定。

 三井物産は同州で発電から電力販売まで需給調整も含め一貫して行う電力垂直統合事業を推進しており、その拡大に向け同州中部のHill Countyでこのほど太陽光発電所の開発に着手した。発電された電力はすべて三井物産 100%子会社のMitsui & Co. Energy Marketing and Services (USA), Inc.(以下、MEMS)を通じて電力市場または産業需要家に供給・販売するとともに、150MWの蓄電池も活用しながら太陽光発電の間欠性を調整し、市場の電力ニーズに応えていく。この取組への今後2年間の投資額は約300億円の見込み。米国の再生可能エネルギー市場の成長が見込まれる中、三井物産はテキサス州での電力事業ポートフォリオの構築と規模拡大を目指す。

 MEMSは天然ガスのトレーディング機能を活用して、2018年に米国での電力トレーディング事業に本格参入した。2021年からは西テキサスにおける太陽光発電オフテイクを開始し、市場流動性が高いテキサス州の電力市場で電力の卸売・販売の実績を積んできた。また、脱炭素意識の高まりを受けて再生可能エネルギー調達方法や環境価値に対する顧客ニーズが多様化する中、2023年には電力小売ライセンスを取得した。三井物産は多様なプラットフォームやソリューション、これまで国内外で培ってきた発電事業の知見を活用し、電力供給バリューチェーンの上流から下流まで総合的マネジメント機能を拡充していく。

 三井物産は、発電資産ポートフォリオの変革と良質化を目指し、太陽光・陸上風力・洋上風力等の規模感ある大型再生可能エネルギー事業、および地域の需要にこたえる地産地消型の分散型再生可能エネルギー事業に取り組んでいる。また、中期経営計画2026において、Global Energy Transitionを攻め筋の一つとして定め、再生可能エネルギーを由来とするクリーンな電力の供給により、事業を通じた脱炭素社会への移行を目指している。三井物産は今回の投資を通じて、環境と調和した社会づくりに貢献していくとしている。

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