日立造船、オマーンでのメタネーション実証に関する覚書を締結

・パイロットプラントの基本設計

 日立造船および100%子会社である Hitachi Zosen Inova AG(スイス、以下、HZI)は3月12日、オマーン政府や日本の商社などが出資するオマーン国の LNG 事業会社 Oman LNG LLC(以下、オマーン LNG)と、「メタネーション※1の事業化に向けた協力覚書」を締結したと発表した。

 オマーンは、日本と同じく2050 年までに温室効果ガス排出量ネットゼロ達成を目指しており、両国政府は 2022 年 12 月に「水素・アンモニア及びメタネーションを含むカーボンリサイクルに関する協力覚書※2」を交わしている。

 今回の覚書は、両国間の協力覚書に基づいた取り組みとなり、オマーン LNG が保有する LNG プラントにメタネーション装置を実装し、CO2 の資源化を目指すもの。

 オマーン LNG は、既存 LNG プラントの隣接地に小規模なパイロットプラント(メタネーション
装置および水電解装置)を建設し、1,200N ㎥/hの合成メタン(e-methane)を生産する予定。
 覚書の締結にあたっては、日立造船および HZI のメタネーションに関する知見や実績の他、メタネーションに必要な水素を製造する水電解技術や水処理技術、大型プラントを建設する EPC(Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設))能力を日立造船グループが有し、全体システムの最適化を図ることができることが高く評価された。

 なお日立造船は、経済産業省・資源エネルギー庁が 2024 年 1 月に公募した「令和 6 年度「産油国石油精製技術等対策事業費補助金(石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業に係るもの)」」に採択されており、覚書のパイロットプラントの基本設計と商業化検討については当該補助金を活用する。

 日立造船グループは、中東において水処理プラント建設で豊富な実績を有している。また、現在はHZI を通じてごみ焼却発電プラントの分野でも中東に貢献している。国内外でメタネーションおよび水電解に関する事業実証や社会実装の機会創出を目指す中、環境事業の中東へのさらなる展開を図り、日立造船と HZI のそれぞれが有するメタネーションおよび水電解技術の連携を深め、グル
ープの力を結集して本件に取り組んでいく。

※1:触媒を充填した反応容器内で水素と二酸化炭素を反応させ、天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術。
※2:日本の経済産業省とオマーンのエネルギー鉱物資源省が 2022 年 12 月 27 日に締結。

<覚書概要>
覚書名:メタネーションの事業化に向けた協力覚書
調印者:Oman LNG LLC および日立造船株式会社、Hitachi Zosen Inova AG
調印日:2024 年 3 月 11 日

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