プライメタルズ、米マグアイアン向け大規模粒銑生産の事業化調査を完了

・既存インフラ活用で年産200万トン規模の技術的実現性を確認、米鉄鋼業の脱炭素化を後押し

プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は9月9日、米国マグアイアン(MagIron)向けに、同社が保有する既存産業インフラを活用した大規模粒銑(外販用銑鉄)生産プロジェクトの事業化調査および経済性評価を完了したと発表した。調査では3つの技術ルートを評価し、いずれも年間約200万トンの粒銑生産が技術的に可能であることを確認した。米国鉄鋼業の将来的な発展と脱炭素化に不可欠な高品質鉄源の主要供給者を目指すマグアイアンの戦略を支援する内容となっている。

評価対象となったのは、(1) MIDREX® Flex直接還元設備と電気溶融炉(Smelter)を組み合わせるルート、(2) MIDREX® Flex直接還元設備と電気アーク炉および取鍋精錬炉を組み合わせるルート、(3) 従来型高炉によるルート——の3方式。いずれのルートでも年産約200万トン規模の実現性が技術的に確認された。

マグアイアンはミネソタ州およびインディアナ州に大規模な鉱山・選鉱・ペレット製造・物流インフラを保有しており、これらを基盤に事業を推進する方針だ。最終投資決定後、約2〜3年で設備立ち上げと初出銑を見込んでいる。同社はDRグレード鉄鉱石ペレットと外販用粒銑の双方を供給できる立場にあり、市場動向に応じて柔軟に対応する考えを示している。

現在、米国の外販用粒銑需要(年間約400万〜600万トン)はほぼ全量を輸入に依存している。マグアイアンが計画する年産約200万トンの生産能力は、現在の国内需要の約3分の1から2分の1を賄える規模となる。

マグアイアンのジュリアン・トレガー会長 (Julian Treger Executive Chairman)は「今回の調査完了は大きな前進。外販用粒銑の大規模国内生産体制を構築するための技術的・経済的に有望な複数のルートがあることが確認された。米国は鉄鋼業界で必要とされる外販用粒銑のほぼ全量を輸入に依存しており、自動車・防衛・インフラ・航空宇宙・先進製造業が高品質鋼材の安定供給に依存している中で、重大な戦略上の脆弱性となっている」とコメントした。

プライメタルズ テクノロジーズのフリーデマン・プラウル (Friedemann Plaul)上級副社長(製鉄、製鋼、環境ソリューション担当)は「大規模粒銑生産が複数の技術的に実現可能なルートによって可能であることが示された。マグアイアンが保有する既存産業インフラおよび国内原料基盤は、プロジェクトを次の開発段階へ進めるための強固な基盤となる。パートナーシップを通じてマグアイアンの目標達成に貢献できることを楽しみにしている」と述べた。

マグアイアンは、米国鉄鋼業の将来的な発展と脱炭素化に不可欠な高品質・低炭素鉄源の主要供給者となることを目的に設立された。ミネソタ州グランドラピッズ近郊の鉄鉱石選鉱設備とインディアナ州レイノルズ近郊のペレット工場の再稼働に注力している。両設備は過去に操業実績を持ち、これまでに総額6億6,000万ドル超の投資が行われている。過去に高炉向け精鉱を年産約220万トン規模で操業した実績があり、比較的小規模な設備投資で年産300万トンまで拡張可能な設計となっている。

本調査結果は、米国における国内産粒銑の安定供給体制構築と、鉄鋼業界の脱炭素化に向けた原料基盤の強化に寄与するものとして、業界関係者の注目を集めそうだ。

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