三菱ケミカル(東京都千代田区)は8月19日、最先端半導体向け研磨剤の原料となる超高純度コロイダルシリカを事業化すると発表した。九州事業所・福岡地区(北九州市)に生産設備を新設し、2028年10月の営業運転開始を予定している。生成AIやデータセンター向けを中心に拡大する先端半導体市場をターゲットに、高純度材料の供給体制を整備する。
コロイダルシリカは、シリコンウエハの研磨スラリーや、ウエハ配線層のCMP(化学的機械研磨)スラリーの原料として使用される。最先端半導体の配線層では、ナノレベルの平坦化に加え、不純物の混入を抑えながらスクラッチを極小化し、高い研磨除去率を確保することが求められている。このため、研磨対象となる材料に応じて、コロイダルシリカ粒子のサイズや形状、物性などを最適化する必要がある。
三菱ケミカルが事業化する超高純度コロイダルシリカは、超高純度原料であるテトラメトキシシランから一貫生産することで、不純物の含有を抑制する。さらに、同社が培ってきた材料技術を活用し、顧客の要求に応じて粒子サイズや密度などをカスタマイズできる点を特徴とする。
新設する生産設備の詳細な生産能力や投資額については明らかにしていない。九州事業所・福岡地区を生産拠点とし、2028年10月の営業運転開始を目指す。
三菱ケミカルは経営ビジョン「KAITEKI Vision 35」で「データ処理と通信の高度化」を注力事業領域の一つに位置付けている。今回の事業化を通じ、世界の最先端半導体製造に不可欠な材料を供給し、半導体の高性能化を支える材料サプライチェーンの強化につなげる。
■プロジェクト概要
▽事業=最先端半導体向け超高純度コロイダルシリカの事業化
▽製品=超高純度コロイダルシリカ(半導体研磨スラリー原料)
▽建設地=三菱ケミカル九州事業所・福岡地区(福岡県北九州市)
▽設備=超高純度コロイダルシリカ生産設備
▽原料=テトラメトキシシラン
▽営業運転=2028年10月予定
▽用途=シリコンウエハ研磨、配線層CMPスラリーなど