・マレーシアに新拠点、VSP箔月産1200t・MicroThin箔月産400万㎡
三井金属(東京都品川区)は8月17日、AI・半導体市場の成長に伴う需要拡大に対応し、高周波基板用電解銅箔「VSP™」とキャリア付極薄銅箔「MicroThin™」の生産能力を2030年以降も増強する。マレーシア工場(Mitsui Copper Foil (Malaysia) SDN.BHD.)近傍に新たに土地を取得し、2031年以降に新拠点を設立する計画を策定した。
新拠点では、VSP箔の生産能力を月産1200t、MicroThin箔を月産400万㎡とする。既存拠点の能力と合わせ、VSP箔は月産2600t、MicroThin箔は月産1200万㎡の生産体制を構築する計画。さらにVSP箔については、市場の一段の拡大を見据え、月産5000tまで生産能力を引き上げる体制の構築も視野に入れている。
VSP™は、高周波数帯でのプリント基板の伝送損失低減に寄与する電解銅箔で、サーバー、ルーター、スイッチなどの高性能通信インフラ機器に採用されている。足元ではAIインフラ関連向けのHVLP5グレード品が量産段階に移行し、ビッグテック各社で採用が進展。需要が急速に拡大しており、今後も市場の成長が見込まれている。
一方、MicroThin™は、1.5~5μmの極薄銅箔に複数種類の微細な粗化処理を組み合わせた製品。微細回路形成に適しており、半導体パッケージ基板、光モジュール、スマートフォン用マザーボード(HDIプリント基板)などに使用されている。データセンターやメモリー基板向けの需要が増加しているほか、光モジュールについてもAIサーバーへの採用拡大に伴い、今後の需要伸長が期待されている。
三井金属は、AI・半導体関連市場の中長期的な成長を背景に、マレーシアを生産拠点として銅箔の供給能力を段階的に拡大し、高性能通信・データセンターなど成長分野への安定供給体制を強化する。
■計画概要
▽対象製品=高周波基板用電解銅箔「VSP™」、キャリア付極薄銅箔「MicroThin™」
▽新拠点=マレーシア工場近傍に新設
▽稼働時期=2031年以降
▽新拠点生産能力=VSP箔・月産1200t、MicroThin箔・月産400万㎡
▽既存能力を含む計画=VSP箔・月産2600t、MicroThin箔・月産1200万㎡
▽将来構想=VSP箔について月産5000tまでの生産能力体制を視野