ヤマシンフィルタ、ミツフジと資本業務提携、ウェアラブルと電磁波シールドで社会実装を加速

ヤマシンフィルタは7月29日、ウェアラブルIoT製品を手掛けるミツフジとの資本業務提携に基づく戦略的アライアンスを始動したと発表した。両社の素材・センシング・ソフトウエア技術を融合し、ウェアラブルデバイスや次世代電磁波シールドフィルタの製品化・量産・販売を目指す。

同日開催した記者発表会では、「酷暑時代への対応」と「生成AIの急速な普及」という社会課題への対応を掲げ、これまでの基礎研究段階から社会実装フェーズへ移行する方針を示した。

ヤマシンフィルタは建設機械用油圧フィルタで培ったナノファイバー技術を強みとし、過酷な環境下でも性能を発揮する機能素材の開発力を有する。一方、ミツフジは銀めっき導電性繊維「AGposs®」や、脈波から深部体温の変化を推定するアルゴリズムを活用したウェアラブルデバイスの開発実績を持つ。

提携では、ヤマシンフィルタがナノファイバー技術を活用した電極素材や電磁波シールドフィルタなどの次世代機能素材の開発・量産を担い、ミツフジは銀めっき繊維、ウェアラブル技術、ソフトウエア開発、データ解析アルゴリズムを提供する。両社は技術を融合することで、生体データ収集システムや次世代電磁波シールドフィルタの市場投入を加速する。

ウェアラブル分野では、ミツフジの製品にヤマシンフィルタの極薄ナノファイバー技術を組み合わせた次世代電極を開発する。ジェルを使用せず肌への負担を抑えながら、体動ノイズを低減し、高精度な心電・心拍計測を実現することを目指す。深部体温推定技術やアプリケーションと組み合わせることで、建設現場などの暑熱対策や医療、見守り分野への展開を視野に入れる。

また、生成AIの普及に伴い需要が拡大するデータセンター向けには、「呼吸する電磁波シールドフィルタ」の共同開発を進める。AGposs®の高い電磁波遮蔽性能とナノファイバーの高い通気性を組み合わせることで、放熱性能を維持しながら電磁波ノイズを抑制し、冷却効率の向上と通信品質の確保を両立するという。

今後は、提携第1弾製品の実証実験を早期に完了させ、量産体制を構築したうえで市場投入を進める計画。さらに、次世代電磁波シールド素材についてはデータセンターに加え、軽量化や熱対策、電磁波対策が求められるEV(電気自動車)やドローンなどモビリティ分野への展開も目指す。ウェアラブル市場は2033年までに約9,071億ドル規模へ拡大すると予測されており、両社は素材技術とデジタル技術の融合による新たな事業創出を図る考えだ。

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