技研製作所、英国の洪水対策事業で「ジャイロプレス工法™」初採用

・都市再生を支える低振動・省スペース施工技術を海外展開

技研製作所は7月16日、同社の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法™」が、英国で初めて採用されたと発表した。ダービー市で進められている都市再生・洪水対策事業「Our City Our River」の第2フェーズ「Derby Riverside」の一工区で導入され、洪水リスク低減と周辺環境への影響抑制を両立する施工技術として注目されている。

施工を担当したのは、技研製作所が展開する圧入機ユーザー向け総合支援サービス「GTOSS™ EUROPE」の会員企業であるIvor King (C.E.C.) Ltd.(アイボール・キング社)。技研グループの技研ヨーロッパ(Giken Europe B.V.、本社:オランダ、社長:山本卓也)は、圧入機のレンタル提供、関連部材の販売、施工現場への技術指導員派遣などを通じて工事を支援した。

今回の工事は、総額約3,500万ポンド(約76億円、218円換算)の公的資金を投入して進められる大型公共事業「Our City Our River」の一環。洪水対策と都市再生を同時に推進する取り組みであり、対象区間の「Derby Riverside – Flood Defenses(Reach 6)」では、市街地東部に近接する河川沿いで防災機能の強化が求められていた。

施工現場は、河川と既存構造物に挟まれた狭隘な場所で、水質保全への配慮も必要となる難易度の高い区間だった。さらに、既存擁壁や岩盤による硬質地盤条件が重なり、施工性と環境負荷低減の両立が課題となっていた。

「ジャイロプレス工法™」は、先端に切削爪「リングビット」を装着した鋼管杭を回転させながら圧入することで、既存構造物や硬質地盤を貫通し、連続した高剛性の鋼管杭壁を構築できる技術。既設杭の上を自走しながら施工できるコンパクトな施工機により、限られたスペースでも対応可能となる。

また、打撃による振動や騒音が発生せず、排土量も抑制できることから、周辺住民や企業活動への影響を低減できる点が評価された。既存構造物の撤去や事前掘削も不要で、工期短縮やコスト削減にも寄与する。

今回の工事では、鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー™ F401-G1200」を使用し、直径1,000㎜、長さ16mの鋼管杭93本を圧入。その後、「サイレントパイラー™ F301-700」により、幅600㎜、長さ9mのU形鋼矢板192枚を施工し、河川増水時の防水機能を備えた河川擁壁を構築した。

■工事概要
▽工事名=Derby Riverside – Flood Defenses (Reach 6)
▽工事場所=Reach 6, River Derwent Reach, Derby
▽発注者=Derby City Council
▽元請業者=John Sisk & Son Ltd.
▽施工業者=Ivor King (C.E.C.) Ltd.
▽使用機材=ジャイロパイラー™ F401-G1200、サイレントパイラー™ F301-700
▽施工杭=鋼管杭93本(直径1,000㎜、長さ16m)、U形鋼矢板192枚(幅600㎜、長さ9m)

英国では近年、気候変動による洪水リスクの高まりを背景に、防災インフラへの投資が拡大している。同国政府は2025年6月、洪水防御を含む分野に対して今後10年間で大規模投資を行う方針を示しており、各地で防災機能向上に向けた事業が進められている。

都市部における洪水対策では、地盤条件への対応に加え、施工スペースの制約や騒音・振動規制への対応が重要となる。技研製作所では、今回の英国初採用を契機に、海外市場での「ジャイロプレス工法™」の提案活動を強化し、安全・安心な都市インフラ整備への貢献を目指す。

技研グループは、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」による「圧入原理」を世界に先駆けて実用化。無振動・無騒音、省スペース、仮設レス施工による防災・減災インフラ構築を国内外で展開しており、現在では40以上の国と地域で採用実績を持つ。

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