サンドビック、26年4〜6月期売上は24%増の368億SEK、増収増益で過去最高を記録

サンドビック(Sandvik):2026年7月17日

スウェーデンのサンドビック(Sandvik AB、本社:ストックホルム)が発表した2026年第2四半期(4〜6月)決算によると、売上高は前年同期比24%増の367億5,200万SEK(約6,248億円)となった。調整済EBITAは同48%増の83億600万SEK(約1,412億円)、当期利益は同63%増の52億3,600万SEK(約890億円)だった。鉱業部門とマシニング部門を中心に力強い需要が続き、受注・売上高・利益のいずれも過去最高水準を記録した。

※1SEK (スウェーデンクローナ)は約17円。

■2026年第2四半期業績ハイライト

  • 受注総額:377億9,900万SEK(前年同期は322億600万SEK)と前年同期比17%増加。為替レート固定でも17%増、オーガニックベースでも17%増と大幅な伸びを示した。
  • 総売上高:367億5,200万SEK(同297億SEK)と前年同期比24%増加。為替レート固定でも24%増、オーガニックベースでも23%増を確保。
  • 調整後EBITA:83億600万SEK(同56億2,900万SEK)で、利益率は22.6%(同19.0%)に上昇。比較可能性に影響する項目は主にマシニング部門の再編関連費用および売却予定資産の減損により、-5億8,200万SEK(同-6億4,300万SEK)だった。
  • 当期純利益:52億3,600万SEK(同32億1,600万SEK)、希薄化後1株当たり利益は4.17SEK(同2.56SEK)。調整後の希薄化後1株当たり利益は4.59SEK(同2.96SEK)。
  • フリー・オペレーティング・キャッシュフロー:35億9,000万SEK(同50億9,000万SEK)と前年同期比で減少。売上高の急成長に伴う正味運転資本の増加が主因。

■最高経営責任者(CEO)のコメント:Stefan Widing(ステファン・ヴィディング)社長兼CEO

サンドビックは、受注・売上高・利益のいずれも過去最高水準となる優れた結果を残す、力強い第2四半期を達成した。有機的な受注および売上高はそれぞれ17%、23%増加し、営業利益率は22.6%となった。フリー・オペレーティング・キャッシュフローは36億SEKで、キャッシュ・コンバージョン率は46%だった。

鉱業部門では、アフターマーケット事業の2桁成長に牽引され、有機的な受注が11%増加するなど、需要は引き続き堅調だった。装備事業は高い比較対象を上回り2%増加した。当四半期には、地下鉱山向けの次世代自動化プラットフォーム「AutoMine® Aura」を投入し、生産性・安全性の向上に向けた自動化戦略を前進させた。有機的な売上高は18%増と、生産能力増強の成果が表れた形だ。

岩石処理(ロック・プロセッシング)部門は、鉱業向けの堅調な需要に牽引され、有機的受注が7%増加、売上高は6%増加した。当四半期にはイタリアのDiemme® Filtration社の買収を発表し、鉱業のダウンストリーム分野における濾過・脱水ソリューションという新たなニッチ市場に参入した。

マシニング部門は、一般産業における需要の回復や航空宇宙・防衛分野での強い勢い、市場シェアの獲得、価格施策の奏功により、有機的受注・売上高がそれぞれ30%、36%増と力強い伸びを示した。タングステン価格の上昇を受け、粉末事業の受注は前年比で2倍以上に拡大した。垂直統合型のビジネスモデルにより、切削工具向けの主要原材料を確保できていることも強みとなっている。

インテリジェント・マニュファクチャリング部門も堅調に推移し、有機的な受注・売上高はそれぞれ7%、9%増加した。航空宇宙・防衛分野がプラスに寄与した一方、自動車分野は引き続き低調だった。ソフトウェアライセンスの需要も好調で、サブスクリプション事業は前年比で2桁台後半の伸びとなった。4月にはインドにイノベーションハブを開設し、インテリジェント・マニュファクチャリングとマシニングの両部門による部門横断的な連携、AI、CAD/CAMソフトウェア、エンド・ツー・エンドのデジタルスレッド機能の強化に着手した。

「我々は引き続き力強いモメンタムを示し、受注・売上高・利益がいずれも過去最高水準となる優れた結果を達成した。強固な事業基盤とリーディングな製品ラインアップにより、主要な事業機会を確実に捉え、イノベーションの最前線に立ち続けている。変動の激しいマクロ環境において顧客ニーズや市場動向への対応力を発揮できたことは、まさに『共に勝つ(Winning together)』というサンドビックの中核的価値観を改めて体現するものだ」

■受注および収益の市場動向

  • 鉱業分野:良好なコモディティ価格が投資意欲を刺激し、ブラウンフィールド案件を中心に設備投資が高水準で推移。生産稼働率の高さと設備の老朽化を背景に、部品交換・保守需要も拡大。デジタル・自動化ソリューションへの需要も着実に浸透が進んだ。
  • インフラ分野:上半期を通じて需要は全体的に改善。夏季前の受注が集中する季節性の強い第1四半期に続き、第2四半期も骨材(アグリゲート)分野・解体リサイクル分野ともに高い市場活動を維持した。
  • 製造・自動車分野:PMI(購買担当者景気指数)の改善が続き、一般産業のセンチメントは上向いた一方、自動車分野の需要は低水準で横ばい。航空宇宙分野は大手メーカーの長期受注残に支えられ底堅く、地政学的な緊張の高まりを背景に防衛分野は力強く成長した。
  • タングステン市場:供給制約と旺盛な需要を背景に価格上昇が続き、切削工具の事前購入(プレバイイング)の動きを促した。欧州のタングステン価格は高水準で安定する一方、中国では価格が下落し新たな水準で落ち着いた。

グループ全体の受注は17%増(為替固定ベースでも17%、うちオーガニック17%)、売上高は24%増(為替固定ベースでも24%、うちオーガニック23%)となり、ブック・トゥ・ビル・レシオは103%だった。

■部門別事業動向

<Mining(マイニング)>

  • 受注高は前年同期比12%増の200億5,300万SEK。為替固定ベースでは11%増、うちオーガニックは11%増と過去最高を記録。特にアフターマーケット事業(Parts and Servicesおよびデジタル鉱業技術)が牽引した。
  • 大型受注(5件、総額21億SEK)を除くベースでは、オーガニック受注は13%増。
  • アフターマーケット事業が売上高の66%(前年同期69%)、装備事業が34%(同31%)を占めた。
  • 調整後EBITAは37億9,300万SEK、利益率は20.5%(同20.3%)。訴訟費用や鉱山閉鎖関連費用など一時的要因の影響を受けつつも、オーガニックの営業レバレッジは25%だった。
  • 4月にはPatrick Murphy氏がMining部門社長に就任(7月1日付)することが発表された。

<ROCK PROCESSING(ロック・プロセッシング:岩石処理)>

  • 受注高は前年同期比8%増の28億3,800万SEK。為替固定ベースでも8%増、うちオーガニックは7%増。
  • 6月22日、イタリアのDiemme® Filtration社(濾過・脱水ソリューション大手)の買収を発表。同社は新設される「Filtration」部門としてロック・プロセッシング事業内に報告される予定。
  • スウェーデンのLKAB向け新選鉱プラントに、コーンクラッシャーやスクリーン、フィーダー等を納入する1億7,300万SEK規模の大型受注を獲得。
  • 調整後EBITAは3億9,200万SEK、利益率は14.6%(同14.6%)で横ばい。

<Machining(マシニング)>

  • 受注高は前年同期比29%増の140億6,800万SEK。為替固定ベースでは30%増、うちオーガニックも30%増。北米で36%、中国で33%、欧州で21%のオーガニック受注増を記録。
  • 切削工具はオーガニック受注が20%増、売上高は19%増。粉末事業はタングステン価格の上昇を背景に受注が倍増した。
  • 調整後EBITAは42億900万SEK、利益率は28.7%(同19.7%)と大幅に改善。コスト吸収の改善や省人化・省コスト効果(9,000万SEK)に加え、タングステン価格動向に伴う一時的な利益押し上げ効果(約5億5,000万SEK、利益率換算で約3.8ポイント相当)も寄与した。
  • 4月にK&Y Diamond社(超精密加工用単結晶ダイヤモンド工具メーカー)の買収を発表。

<Intelligent Manufacturing(インテリジェント・マニュファクチャリング)>

  • 受注高は前年同期比15%増の8億4,000万SEK。為替固定ベースでは18%増、うちオーガニックは7%増。アジアで24%、欧州で6%のオーガニック増となった。
  • CAM・計測ソフトウェアへの需要が広範に拡大し、サブスクリプション売上は前年比2桁台後半の伸び。
  • 調整後EBITAは1億9,800万SEK、利益率は22.5%(同20.1%)。
  • 4月にインド・プネにイノベーションハブを開設。

■重要事項(第2四半期後)

7月7日、サンドビックはMastercam Indiaおよび米CAD/CAM CONSULTING SERVICES INC.(CCCS)の主要資産の買収を発表。両社はMastercamの長年の販売パートナーであり、インテリジェント・マニュファクチャリング部門内のMastercam事業ユニットに統合される。

なお、5月29日には積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)事業をスウェーデンの投資会社Mimirへ売却する契約を締結したことも公表されている。

■通期見通し・財務目標

サンドビックは市場見通しや業績予想は公表していないが、2026年第3四半期については、6月30日時点の為替レートに基づき為替影響が調整後EBITAに対して+2億SEK、タングステン価格に伴う一時的効果も+2億SEKになると見込む。設備投資(キャッシュベース)は2026年通期で40〜45億SEK、支払利息は-6億SEK、税率は23〜25%(正常化ベース)と見積もっている。

2025〜2030年の戦略期間における長期財務目標(4項目)は据え置き:景気サイクルを通じた有機・M&A込みの成長率7%、調整後EBITA率20〜22%、配当性向(調整後EPSの50%)、財務純有利子負債/EBITDA比率1.5倍未満(大型M&Aを除く)。

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