中北製作所、2026年5月期は増収増益、バタフライ弁が牽引、純利益はわずかに減少

中北製作所は7月14日、2026年5月期(2025年6月1日~2026年5月31日)の連結決算を発表した。売上高は292億5,400万円(前期比23.1%増)、営業利益は15億6,100万円(同34.9%増)、経常利益は22億6,500万円(同56.5%増)と大幅な増収増益となった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は17億2,400万円(同0.3%減)とわずかに前期を下回った。前期に計上した投資有価証券売却益(9億6,800万円)という特別利益がなくなったことが響いた。1株当たり当期純利益は494円10銭(前期は490円83銭)となった。

経営成績等の概況をみると、当期の日本経済は企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで設備投資や個人消費にも持ち直しの動きがみられ、公共投資も堅調に推移するなど緩やかな回復基調にあった。ただし物価動向や金融市場の変動、米国の通商政策、中東情勢など、景気を下押しするリスクへの留意が必要な、先行き不透明な状況が続いたとしている。

同社グループの主要な受注先である造船業界では、海上輸送量の増加や既存船舶の代替需要を背景に、次世代燃料船を含む新造船需要が改善し、国内外の造船所は手持ち工事量を十分に確保する状況となった。日米両国による造船協力の覚書締結や、政府による「造船業再生ロードマップ」の策定といった追い風もあり、同社は40,000立方メートル型液化水素運搬船に搭載される低温用バタフライ弁の受注を獲得するなど、需要が拡大する舶用関連に加え、生成AI需要によるデータセンター建設に伴う電力需要案件など陸用関連でも積極的な営業活動を展開した。

この結果、当期の受注高は320億6,300万円(前期比8.9%増、26億1,800万円増)となり、売上高も292億5,400万円(同23.1%増、54億8,600万円増)と大きく伸長した。輸出関連の売上高は48億8,500万円(前期比12億2,400万円増)となった。期末の受注残高は期首から29億1,600万円増加し、274億4,300万円に達した。

利益面では、営業利益・経常利益とも前期を大きく上回ったが、前期に特別利益として計上していた投資有価証券売却益がなくなったことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期をわずかに下回る結果となった。

事業構成について、同社グループはバルブ及び遠隔操作装置の製造・販売事業の単一セグメントで事業を運営しており、セグメント情報の開示は省略されている。もっとも品種別の販売実績をみると、明暗が分かれた。バタフライ弁は135億7,400万円(前期比37億1,900万円増)と大きく伸び、全体売上高に占める構成比も41.5%から46.4%へと高まった。液化水素運搬船向けなど舶用関連の需要拡大が寄与したとみられる。自動調節弁は97億3,600万円(同10億8,800万円増)、遠隔操作装置は59億4,300万円(同6億7,800万円増)と、いずれも増収となった。ただし受注高でみると、バタフライ弁が167億9,700万円(前期比52億2,300万円増)と大きく伸びた一方、自動調節弁は89億6,600万円(同19億7,600万円減)、遠隔操作装置は63億円(同6億2,900万円減)とそれぞれ減少しており、品種間で受注動向に差が生じている。

■ 2027年5月期の連結業績予想

次期、2027年5月期の連結業績予想については、売上高300億円(前期比2.5%増)、営業利益14億5,000万円(同7.1%減)、経常利益21億円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同7.2%減)を見込んでいる。1株当たり当期純利益は458円35銭を予想する。

第2四半期累計期間については、売上高148億円(前年同期比2.9%増)、営業利益7億円(同14.9%減)、経常利益10億3,000万円(同13.3%減)、純利益7億3,000万円(同18.1%減)を見込んでいる。今回の予想は前期比で増収となる一方、営業利益以下の各利益段階では減益を見込む内容となっており、修正再表示など会計方針の変更は無い。

今後の見通しについて同社は、国内景気は緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価動向や金融市場の変動、米国の通商政策をめぐる動向、中東情勢の影響など、景気を下押しするリスクに留意が必要な、先行き不透明な状況にあるとしている。そのうえで、需要が拡大している舶用関連に加え、発電プラント等の陸用関連においても一層の提案型営業活動に注力するとともに、生産性向上活動や原価低減活動にも継続的に取り組み、計画達成を目指す方針を示した。

なお、会計基準の選択については、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、当面は日本基準での作成を継続する方針だが、外国人株主比率の推移や国内同業他社における国際会計基準の適用動向等を踏まえ、今後は国際会計基準(IFRS)の適用について検討を進めていく考えを示した。また、配当については2026年5月期の年間配当金を110円(前期比10円増)とし、2027年5月期は115円を予想するなど、増配傾向を継続する方針を示している。

なお、企業結合に関する注記として、2024年12月20日に実施したACE VALVE CO., LTD.との企業結合について、前期に暫定的に行っていた会計処理を中間連結会計期間中に確定させたことが明らかにされている。これに伴い、暫定的に算定されていたのれんの金額は当初の7億5,600万円から3億8,300万円減少し、3億7,300万円となった。継続企業の前提に関する注記及び重要な後発事象に関する注記については、いずれも該当事項はないとしている。

中北製作所の2026年5月期決算短信

なお決算説明会は、2026年8月5日(水)の予定。