・26年度は7.7%増の225億6,000万円を見込む
ヤマシンフィルタが5月15日に発表した2026年3月期(2025年度)連結業績によると、売上高は209億4,100万円(以下、前期比4.2%増)となり、営業利益は25億9,200万円(1.4%減)、経常利益は25億3,500万円(5.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億1,800万円(0.3%減)となった。利益面では前期を若干下回ったものの、売上高は創業以来過去最高を更新した。
主力事業である建機用フィルタ事業においては、各市場における需要の濃淡はあるものの、全体では新車需要が大幅に増加し、交換需要も堅調に推移したことから増収増益となった。同社グループでは中期経営計画に掲げた北米市場におけるシェア拡大や、環境負荷低減に寄与するナノファイバーを用いた製品の採用拡大が着実に進展しており、建機用フィルタ事業の持続的な成長と資本効率の改善が見込まれる。建機用フィルタ事業単体では売上高186億5,400万円(6.7%増)、営業利益27億1,300万円(6.2%増)となった。
ヤマシンフィルタ2026年3月期データ
エアフィルタ事業においては、基幹システムの入れ替えに伴う生産・出荷遅延による売上低迷が継続したことに加え、システム運用コストの増加により大幅な減収減益となった。売上高22億8,700万円(12.5%減)、営業損失1億2,100万円(前期は営業利益7,500万円)。この基幹システム入れ替えに伴う混乱は当連結会計年度内に収束しており、翌期以降はオペレーションの安定化・供給体制の改善を通じて売上回復を図る方針。また、ロングライフ・低圧損・高捕集率を特長とするナノファイバー製エアフィルタ「NanoWHELP(ナノウェルプ)」の直販体制の構築も着実に進展しており、国内のみならず欧州をはじめとした海外市場の開拓も視野に入れ、事業の再構築と収益性改善に取り組んでいく。
新規事業においては、機能テキスタイル分野として実績のあるアパレル市場への製品供給が開始されたほか、耐熱性・導電性の特性を活かしライフサイエンス分野・産業資材分野への参入を視野に、大学・研究機関等との共同研究開発および量産体制の整備を進めている。当連結会計年度においてはこれら新規事業の立ち上げに伴う先行投資費用が1億7,700万円発生した。
今後も同社グループは、総合フィルタメーカーとして「環境」「空気」「健康」をテーマに持続可能な社会・経済活動に貢献する企業として社会的責任を果たしていく。
■今後の見通し
2027年3月期の建機用フィルタ事業においては、AIデータセンタ需要や活発なインフラ投資を背景とした北米市場を中心に引き続き堅調な推移が見込まれる。一方、地政学リスクを背景とした資材価格やエネルギーコストの高騰については依然として終息のめどが立たず、先行き不透明な状況が継続している。中東情勢の長期化による需要減退リスクはあるものの、商物流・保有在庫の見直しや販売価格の改定等により同社の負担を最小化できるとして、業績見通しへの織り込みは行っていない。
建機用フィルタ事業の2027年3月期見通しは、新車需要・交換需要がともに堅調に推移し販売数量が前年度を上回ることから増収を見込む。利益面では主要原材料価格の高止まりに加え、人的資本投資の一環として7%の給与ベースアップによる固定費増加が見込まれるが、販売価格改善や原価改善効果がこれを上回ることから増益となる見通し。
エアフィルタ事業は、既存製品の回復に時間を要する一方、高付加価値製品の展開による新規顧客獲得により増収増益を見込む。新規事業では機能テキスタイル分野でのアパレル向け販売が開始されるが、先行投資費用として約3億7,000万円の発生が見込まれる。
以上の状況を踏まえ、2027年3月期連結業績予想は以下のとおり。売上高225億6,000万円(前期比7.7%増)、営業利益28億2,500万円(9.0%増)、経常利益27億7,500万円(9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20億500万円(16.7%増)。
なお、業績見通しにおける為替レートは、1米ドル155円、1ユーロ180円を前提としている。
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