日立エナジーと米ロックウェル、電力とオートメーションを統合 、鉱業・金属から産業電化を加速

日立エナジー(Hitachi Energy)は10月15日、米ロックウェル・オートメーション(Rockwell Automation)と、電力システムと生産システムを統合する「グリッド・トゥ・プロセス(grid-to-process)」アプローチを核とした協業を発表した。両社の技術と知見を結集し、大規模な産業プロジェクトの計画から建設、運用までを包括的に支援する。まず鉱業・金属分野で協業を始め、他のエネルギー集約型産業への展開も検討する。発表はスイス・チューリッヒ(Zurich)と米ウィスコンシン(Wisconsin)州ミルウォーキー(Milwaukee)で行った。

■ 電力と生産の個別運用に限界

産業界では電力需要の増加や脱炭素化への対応に加え、設備投資の効率化が求められている。こうしたなか、電力システムと生産オペレーションを別々に計画・運用することが難しくなってきた。電力インフラに関する判断が操業パフォーマンスを大きく左右する一方、生産要件も電力システムの計画、導入、運用を左右する重要な要素になっている。

■ 計画・設計の一体化で効率化

両社は、系統接続、電力品質、エネルギー管理、保護・制御、プロセスオートメーション、デジタルオペレーションの技術や知見を持ち寄る。電力システムと生産システムを一体的に計画・設計することで、エンジニアリングの効率化や部門間の連携強化を図る。鉱山操業のデジタル化を後押しし、将来の事業拡大や電化ニーズの変化に対応できる、拡張性と柔軟性を備えた仕組みの実現をめざす。

■ 最初の対象は鉱業・金属

最初の対象は鉱業・金属業界とした。重要鉱物の需要が高まるなか、鉱業各社は生産能力の拡大、操業の高度化、自社施設の電化を同時に進める必要がある。マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が2024年11月に公表した報告書によると、今後10年間で新たな生産能力を整備するための成長投資額は、1兆米ドルに達する可能性があるという。破砕、粉砕、搬送、処理といったエネルギー集約型の工程では、電力供給の中断が設備稼働率、生産の継続性、操業コストに直結する。信頼性が高く高品質な電力の確保は、これまで以上に重要になっている。

■ 両社トップのコメント

日立エナジーの系統・電力品質ソリューションおよびサービス部門責任者のマルコ・ベラルディ(Marco Belardi)氏は、「電化は産業活動のあり方に大きな変化をもたらしている。エネルギーインフラに関する意思決定は、生産性、持続可能性、成長にこれまで以上に大きな影響を及ぼす。両社の強みを結集し、顧客がこうした複雑な課題に対応し、より効率的でレジリエントかつ持続可能な産業活動を実現できるよう支援する」と述べた。

ロックウェル・オートメーションのグローバル・インダストリー・グロース担当バイスプレジデント、ブライアン・ホルテ(Brian Holte)氏は、「産業の未来は、企業がエネルギーと生産をいかに効果的に統合できるかで決まる。日立エナジーの電化分野でのリーダーシップと当社のオートメーション、デジタルトランスフォーメーションの知見を組み合わせ、顧客が新たな生産能力をより迅速かつ確実に、大規模に立ち上げられるよう支援する」とコメントした。

■ 稼働後も効果

施設の稼働開始後も、電化、オートメーション、デジタル技術を組み合わせることで、エネルギー消費、生産状況、設備の稼働状況をより的確に把握できる。将来の生産能力拡大や電化の進展、新たなエネルギー源にも対応できる拡張性の高い基盤になるとしている。

両社はソリューション開発、顧客との協業、特定の産業用途での協業機会を模索する。将来は他のエネルギー集約型産業への幅広い展開も視野に入れる。

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