ダイキン工業は11月5日、2027年3月期第2四半期(2026年4〜9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比17.4%増の2兆9,107億6,600万円と大幅に伸びた。営業利益は9.8%増の2,707億9,300万円、親会社株主に帰属する中間純利益は7.5%増の1,729億5,900万円で、増収増益を確保した。
経常利益は2.2%増の2,471億8,800万円にとどまった。為替差損が79億7,000万円と前年同期の約8倍に膨らんだほか、インフレ会計調整額が収益から費用に転じたことが響いた。原材料や人件費などの負担増で販管費も7,251億円と1割強増加し、売上高の伸びに比べて利益の伸びは抑えられた。
主力の空調・冷凍機事業は、売上高が17.0%増の2兆6,996億5,700万円、営業利益が5.2%増の2,443億6,400万円だった。米国では住宅用の需要回復が限定的ななか、販売店支援や新規開拓で住宅用ユニタリーの販売を拡大した。さらにアプライド空調ではデータセンター向けのチラーやカスタムエアハンドリングユニットが大きく伸び、サービス事業の拡大や新規買収の効果も加わった。
欧州では5月後半と6月後半の熱波を受け、フランスや英国、ドイツなどで住宅用空調が好調だった。ガス価格の高騰やEUの電化行動計画を追い風に、ヒートポンプ式温水暖房機器も大きく伸びた。国内は猛暑に加え、2027年度の省エネ規制による価格上昇の報道が買い替え需要を押し上げ、業務用・住宅用とも前年を上回った。アジア・オセアニアはインドを中心に拡大し、中国は不動産不況で需要が減速したものの、販売施策の強化と為替の押し上げで増収を確保し、利益水準も維持した。
地域別の売上高は、米国が1兆970億7,100万円、日本が4,570億400万円、欧州が4,733億4,000万円、アジア・オセアニアが4,034億1,600万円、中国が2,917億4,400万円だった。いずれの地域も前年同期を上回っている。
化学事業は売上高が25.2%増の1,587億8,900万円、営業利益は77.3%増の242億1,400万円と、利益面で大きく伸びた。半導体分野の需要回復とデータセンター向けの拡大を受け、フッ素樹脂が大幅に増収となった。フッ素ゴムも半導体向けと自動車向けの新規需要を取り込み、半導体プロセス向けエッチング剤を中心とする化成品も好調だった。
その他事業は売上高が15.8%増の523億1,900万円、営業利益は251.3%増の22億1,200万円。
油機事業では、産業機械用油圧機器が国内市場向けの販売増で売上高を大きく伸ばした。建機車両用油圧機器は、国内主要顧客向けの販売が減少したものの、海外顧客向けが増加したことで売上高は前年同期を上回った。
特機事業は酸素濃縮装置が堅調に推移したほか、防衛省向けの受注増も寄与した。フィルタ事業では半導体関連やデータセンターを含む業務用空調向けの需要が堅調で、舶用事業は海上コンテナ冷凍装置などが伸びた。
通期予想は2026年5月公表分から上方修正した。売上高は5兆4,400億円(前期比8.5%増、従来予想比2,900億円増)、営業利益は4,550億円(9.6%増、同190億円増)とした。経常利益は4,170億円、純利益は2,800億円で、それぞれ前期比2.2%増、1.7%増を見込む。下期の為替前提は1米ドル150円、1ユーロ175円とした。
同社は、米国を中心にAI関連投資は堅調に推移するとみる一方、エネルギー価格の上昇や物価高で各地域の需要回復は遅れると想定している。米国関税や中東情勢の緊迫化に伴い、ナフサ由来の部材や物流費、銅など原材料価格が上昇しており、事業環境の不確実性は高いとしている。
株主還元も強化する。中間配当は前年同期より20円多い185円とし、期末配当予想も185円で年間370円(前期340円)を見込む。5月には約3,500億円の自己株式取得を実施した。その結果、自己資本比率は前期末の55.9%から51.0%に低下し、有利子負債比率も18.8%から22.8%に上昇している。
同社は5月に2030年度を最終年度とする戦略経営計画「FUSION30」を公表している。「『環境と空気の新たな価値』を提供し、世界で選ばれ続ける高収益なサステナブル企業」をめざす姿に掲げ、ソリューションなど高収益領域の成長を通じた「稼ぐ力の再強化」を最優先課題とする。初年度は、販売価格政策の推進や変動費の低減、サービス・ソリューション事業の拡大、固定費構造の見直し、買収会社の収益力強化など6つの重点テーマに取り組み、利益率の向上と過去最高業績の更新をめざす。