
ファナックは9月11日、超軽量ポータブル協働ロボット「CRX-3iA」を活用した「CRX建築柱溶接システム」を開発したと発表した。9月16日から東京ビッグサイトで開催される「国際ウエルディングショー2026」で実演する。深刻な人手不足や技能継承が課題となる建設現場で、従来は人手に依存していた鉄骨の溶接工程の省人化・自動化を狙う。
CRX-3iAは、昨年の国際ロボット展で発表したポータブル型の協働ロボットで、造船業界を中心に導入が進んでいる。機構部質量は11kgと軽量で、最大692mmのリーチを持つ。
造船現場では、作業者が大型構造物内にロボットを持ち込み、マグネットで固定して溶接作業を開始。その後、ロボットに溶接を任せ、作業者は次の場所へ移動して別のロボットを設置する運用が可能となる。これにより、1人の作業者が複数台のロボットを担当でき、生産性向上につながっている。
今回開発したCRX建築柱溶接システムは、この運用実績を建設現場に展開するもの。従来、建設現場でロボットを使用する場合、安全柵や走行軸などの周辺設備が必要となり、大掛かりな設備構成となる課題があった。また、鉄骨建方時に使用するエレクションピースが設置される初層や2層目の溶接は自動化が難しく、人手に頼る工程が多かった。
同システムでは、CRX-3iAの軽量・コンパクト性を生かし、柱にマグネットベースを固定した後、ロボット本体を取り付けるだけで設置できる。工具を必要とせず、短時間で設置が完了する。
ロボットは設置された角度を自動認識するため、作業者による角度入力などの複雑な設定も不要。レーザセンサやタッチセンシングによって設置位置を自動認識し、溶接線を補正することで、ロボットを設置して起動するだけで溶接を開始できる。
また、800mm角のコラムでは4台のロボットを四隅に配置することで外周全体の溶接に対応。狭い現場でも移動やレイアウト変更が容易で、柱に加えて梁の溶接箇所にも適用できる。
さらに、建設現場特有のエレクションピースの位置もセンサで検出し、その間を正確に溶接する。従来、人手に依存していた溶接工程の自動化を可能とし、省人化と溶接品質の向上を両立する。
ファナックは、CRX-3iAの「超軽量」「簡単設置」「ティーチングレス」という特徴を生かし、造船に続いて建設分野への展開を進める考えである。
コメントを投稿するにはログインしてください。