
スター精密は9月10日、静岡県牧之原市に新設した「牧之原工場」の竣工式を開催したと発表した。工作機械事業の国内工場リニューアル計画の一環で、2025年5月に着工、2026年7月から稼働を開始している。スイス型CNC自動旋盤のうち、国内限定で製造するハイエンドモデルの組み立てと板金部品加工を担う拠点で、拡大する需要に対応する生産体制を強化した。
牧之原工場では、ハイエンドモデルの本体組み立てと、板金部品の切断・曲げ・溶接・塗装を行う。ハイエンドモデルは主に医療機器や航空宇宙分野向けの複雑部品を高効率に加工できる点が特長で、国内や欧米の顧客に採用されている。世界的なスイス型自動旋盤需要の拡大を背景に、組み立て能力を増強するとともに、最新鋭のパンチレーザー複合加工機を導入して板金部品の生産能力も高めた。
これまで3カ所に分散していた板金加工やユニット組み立てなどの工程を同工場に集約。作業スペースを従来比約1.6倍に拡張し、板金部品加工から完成機組み立てまでを機種に応じて一貫して行える体制を整えた。これにより、より効率的で安定した生産を実現する。
労働環境面でも配慮を重ねた。溶接など熱を伴う工程でも安全に作業できるよう、空調設備で工場全体の温度を一定に管理。熱中症リスクの低減や作業効率・品質の向上、従業員の健康確保につなげている。従業員の憩いの場となるカフェテリアスペースも設けた。
建物は鉄骨2階建てで、建築面積約6,900㎡(約2090坪)、延床面積約9,100㎡(約2760坪)。総事業費は約40億円。設計施工は木内建設が担当した。所在地は静岡県牧之原市布引原946。
同社は2025年12月稼働の菊川南工場(コア部品製造)に続き牧之原工場を完成させたことで、自動盤トップメーカーを目指す生産体制の強化をさらに進める。スイス型自動旋盤は1870年代にスイスで考案された主軸移動型の精密加工機で、細長い部品を高精度に切削できる点が強み。時計部品をはじめ小型精密部品加工で定評がある。
同社は2024年2月に工作機械事業の国内工場リニューアルを公表しており、今回の新工場はその中核拠点の一つとなる。
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