米キャタピラー、新型D11 XE電気駆動ドーザを発売

・次世代D11比で燃料消費量を最大25%削減
・1時間当たりの運土量を5~10%向上

キャタピラー(Caterpillar):2026年9月9日

キャタピラーは9月9日、大型ドーザ「Cat D11 XE電気駆動ドーザ」を発表した。大型ドーザとして同社初の電気駆動モデルで、次世代「Cat D11」と比較して、運搬する材料1単位当たりの燃料消費量を最大25%削減するとともに、1時間当たりの運土量を5~10%向上させる。燃料消費量の削減により、温室効果ガス(GHG)排出量も最大25%削減できる。

D11 XEは、パワートレインや主要システムを全面的に改良。電気駆動方式では、機械式駆動システムで使用するベベルギヤを廃止し、エンジンで発電機を駆動。インバータを介して2基のモーターに電力を供給し、左右の履帯へ安定した動力を伝達する。電気駆動システムの可動部品数は機械式駆動方式に比べ60%少なく、整備性向上とライフサイクル全体での保有・運用コスト低減につなげる。

エンジンには「Cat C32B」を搭載。高アイドル回転数を低く設定することで、D11比でオーバーホール間隔までの寿命を最大20%延長した。エンジン、ファイナルドライブ、油圧システムの計画修理間隔は従来の15,000時間から18,000時間に延長し、電気駆動システムの18,000時間のオーバーホール基準と合わせている。

これにより、D11 XEはD11シリーズで最も高い効率と生産性を実現し、1時間当たりの燃料消費量を最大20%削減。GHG排出量は20~25%削減できるとしている。

キャタピラーのルーク・フィッシャー(Luke Fischer)製品アプリケーションスペシャリストは、「D11 XEは、稼働時間の1時間ごとに、より大きな成果を得られるよう設計した。D11プラットフォームの実績ある性能と電気駆動の利点を組み合わせ、生産性、効率、ライフサイクル価値を向上させた」とコメントしている。

■操作性を向上

電気駆動システムは変速操作が不要で、運転操作を簡素化した。左右の履帯それぞれに専用駆動モーターを配置し、パワーターン機能による高い旋回性能と掘削・押し出し力を実現。旋回中も両方の履帯に動力を供給することで、滑らかで小回りの利く旋回を可能にし、旋回時の運土量向上にもつなげる。

サスペンション式足回りは衝撃を吸収し、足回りへの衝撃荷重の伝達を最大50%低減。乗り心地を改善するとともに、電子式ステアリング、リッパー、ドーザ操作装置を低負荷で操作できるようにした。

主要な多機能タッチスクリーンでは、機械の稼働状況を確認できるほか、各種運転設定へ容易にアクセスできる。これらの機能により、オペレーターの負担を抑えながら、シフトを通じて安定した生産性を確保する。

■保有・運用コストを低減

C32Bエンジンは、Cat C32と同等の出力・性能を確保しながら、内部部品を高耐久仕様として長寿命化を図った。D11と比較して、機械の生涯稼働時間が同程度の場合でも、オーバーホール回数を1回減らすことが可能で、総保有コスト(TCO)の低減に貢献する。

電気駆動の発電機とモーターは、ベアリング交換と再シールのみで機械2台分の寿命に相当する稼働に対応できるよう設計。オーバーホールのたびに必要となる投資を抑える。主要コンポーネントはモジュール式とし、それぞれ独立して取り外せる構造とすることで、整備作業を効率化し、ダウンタイムを最小化する。

また、新型ラジエータガードやケース・フレームの強化により、耐久性を高め、機械寿命を延長するとともに、メンテナンスによる停止時間を削減。リフトシリンダーのトラニオンベアリングを大型化し、整備性を向上させた。

ピンジョイントも再設計し、交換式ベアリングを採用。リッパー、ブレード、プッシュアームのトラニオンにおけるベアリング交換でラインボーリングを不要とし、整備作業を簡素化した。D11との部品共通化率は最大85%で、共通部品の活用と実績あるモジュール設計によってサービス性を高めている。

■自動化・デジタル機能を搭載

D11 XEには、生産性と作業精度を高める各種統合機能を搭載できる。

「AutoCarry」は、運土工程でブレードを自動制御し、オペレーターの疲労を軽減するとともに、最適な履帯スリップ率を維持し、生産性を最大15%向上させる。

「3D Grade Control」は、ROPSに搭載した2基のGNSSアンテナと、ブレードに装着した慣性計測装置(IMU)センサーを使用し、マストやケーブルをブレードに装着することなく切削エッジを高精度に位置決めする。

「Automated Blade Assist(ABA)」は、標準装備のデュアルチルト機能を利用して、ブレードを主要なピッチ位置へ自動的に移動させ、作業効率を高めるとともにオペレーターの負担を軽減する。

自動リッパー制御機能は、エンジン回転数とリッパー深さを自動調整し、生産性を最大化しながら履帯スリップと機械の摩耗を抑制する。

さらに、「Cat MineStar(Cat MineStar)」ソリューションにも対応。オペレーターの作業精度、安全性、効率を向上させる。遠隔操作・半自律運転を可能にする「Command for dozing」では、複数段階の遠隔操作に対応し、キャビンから離れた場所からの作業を可能にする。

「Terrain」機能では、自動化機能やブレードの過掘削防止機能により、燃料消費と再処理作業を削減。「Terrain for grading」では、ベンチ高さ、サイクルタイム、切土・盛土量などの情報を提供し、機械の作業効率向上を支援する。

■D11 XE主要仕様

・エンジン:Cat C32B
・パワートレイン:電気駆動
・排出ガス規制:米国EPA Tier 2相当、米国EPA Tier 4 Final/EU Stage V適合
・正味出力(前進):642kW(861hp)
・正味出力(後進、Tier 2相当):715kW(959hp)
・正味出力(後進、Tier 4 Final/EU Stage V):712kW(955hp)
・前進/後進速度:0~11.2km/h
・運転質量(シングルシャンクリッパー、Uブレード、28インチESシュー):108,316kg
・運転質量(シングルシャンクヘビーリッパー、Carrydozerブレード、36インチESシュー):117,007kg
・ブレード容量(セミユニバーサル):27.2m³
・ブレード容量(ユニバーサル):34.4m³
・ブレード容量(Carrydozer):43.6m³

※正味出力は、エアクリーナー、マフラー、オルタネーター、ファン、必要な排出ガス関連装置を装着したエンジンのフライホイールで利用可能な出力。

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