IHIなど3社、GCAP向けエンジン実証機開発が新段階、地上試験へ準備進展

IHIは7月21日、ロールス・ロイス(Rolls-Royce、英国)、アビオ・エアロ(Avio Aero、イタリア)との3社コンソーシアムが、日英伊3カ国による次世代戦闘機共同開発プログラム「GCAP(Global Combat Air Programme)」向けエンジン実証機の地上試験に向け、開発を着実に進めていると発表した。設計は最終承認段階に入り、100件を超えるサブスケール試験を完了するなど、実証機の地上試験実施に向けた準備が進展している。

3社は共通のビジョンのもと、世界最高水準の次世代戦闘機を支える革新的なエンジンシステムの開発を推進している。英国・レディングには共同開発拠点「コラボレーションハブ」を開設し、GCAP Agencyや機体開発を担うエッジウィング(Edgewing)との連携を強化する体制を構築した。同拠点は、長期的な国際共同開発とパートナーシップの中核拠点として位置付けられる。

技術開発では、一連の設計レビューを経てエンジン実証機の設計が最終承認段階に入り、各構成部品の製造も順調に進行。これまでに100件を超えるサブスケール試験を実施しており、今後予定する地上試験では、GCAP向けエンジンシステム全体の設計・開発に必要な重要データを取得する。

実証機は、革新的なエンジン技術や統合アーキテクチャの成熟度を実証するとともに、プログラム全体の技術リスク低減に重要な役割を担う。また、設計プロセスや開発ツール、開発手法の検証・改善を通じて、GCAP全体の設計・開発期間短縮にも貢献する見通しだ。

ロールス・ロイスは、開発中のエンジンについて「推力を生み出すだけでなく、次世代センサーや兵器システムが必要とする大規模な電力供給と熱管理に対応する『空飛ぶ発電所』の実現を目指している」と説明。3カ国が一体となった開発体制により、革新的技術の実用化を加速する考えを示した。

IHIも、同社が培ってきた航空エンジン技術とロールス・ロイス、アビオ・エアロの技術力を融合し、次世代戦闘機の中核となるエンジンシステムの実現を目指すとしている。長期的な国際共同開発を通じ、防衛航空エンジン産業の発展に加え、新たな事業機会の創出や人材育成、国際連携の強化にも取り組む方針。

GCAPは、日本、英国、イタリアが共同で進める第6世代戦闘機開発プログラム。現在、プログラム全体では世界で約9,000人が従事しており、3カ国で高度専門人材の育成と産業基盤の強化を進めている。

ニュースリリース