・27年度予想は8.3%増の610億円、営業利益6億円
加藤製作所が5月14日に発表した2026年3月期(2025年度)連結業績によると、売上高は563億3,500万円(前期比106.4%)、営業損失は23億2,000万円(前年同期は営業利益9億300万円)、経常損失は18億4,100万円(前年同期は経常利益14億100万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は45億2,600万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失60億3,300万円)となった。
2025年度におけるわが国経済は、設備投資の持ち直しを背景に緩やかな回復が続いたものの、建設資材・人件費の高騰により、国内の建設機械の需要は横ばいに推移した。一方、世界経済は、ウクライナ情勢の長期化に加え、米国・中東情勢が緊迫化する等、不透明な事業環境が続いた。
このような状況下、加藤製作所グループでは2026年3月期を初年度とする中期経営計画のテーマに掲げた『飛躍、そして次の時代へ』のもと「企業価値の向上」「成長戦略の推進と有効投資」「収益性の更なる向上」「サステナビリティ経営の実践」の各施策に取り組んだ。特に棚卸資産の適正化を最優先課題として位置づけ、油圧ショベルの一部製品において戦略的な販売施策を継続するとともに、生産計画の見直しにより在庫水準の適正化を図った。また、海外事業ポートフォリオの健全化に向けてイタリア子会社への増資、中国事業の見直しを実施し、インド合弁会社「ACE KATO Pvt. Ltd.」の設立・操業開始の準備を進めるなど、中長期的な成長基盤の構築を推進した。
当期は、大型ラフテレーンクレーンの販売再開や在庫適正化を目的とした油圧ショベルの一部製品における弾力的な販売施策を推進したこともあり、売上高は前期比増収となった。一方、損益面では在庫調整に伴う工場稼働率の低下、資材価格・物流費の上昇による製造原価率の上昇に加え、補用部品等の長期在庫に対する一過性の評価損計上もあり営業損失・経常損失を計上した。中国子会社の持分譲渡完了に伴う特別利益7,224百万円の計上により最終利益は黒字化した。
加藤製作所2026年3月期データ
■セグメント別の経営成績
① 日本 国内向け建設用クレーンの売上高は、主要部品の供給制約が解消した大型ラフテレーンクレーンの販売再開により354億4,300万円(前年同期比119.9%)と前期比増収となった。海外向け建設用クレーンの売上高は33億1,300万円(前年同期比84.8%)となり、欧州全般および豪州向け販売が伸び悩み減収となった。 国内向け油圧ショベル等の売上高は76億3,600万円(前年同期比100.2%)と前期比同水準を維持した。海外向け油圧ショベル等は関税影響による米国向け販売が伸び悩み、42億8,600万円(前年同期比95.4%)と減収となった。
以上を含めた日本の売上高は518億9,900万円(前年同期比111.2%)、セグメント損失は22億3,100万円(前年同期はセグメント利益6億2,100万円)となった。
② 欧州 欧州は、需要減少により売上高は43億7,800万円(前年同期比91.5%)と減収し、セグメント損失は2億3,900万円(前年同期はセグメント損失1,100万円)となった。
③ その他 当連結会計年度より中国セグメントをその他に組み入れ、売上高は11億3,000万円(前年同期比41.3%)、セグメント利益は5,700万円(前年同期はセグメント損失6,900万円)となった。
■主要品目別売上高の状況
① 建設用クレーン 国内売上高は大型ラフテレーンクレーンの販売再開により354億4,300万円(前年同期比119.9%)と増収となった。海外売上高は34億500万円(前年同期比86.3%)と減収となった。よって、建設用クレーンの売上高は388億4,900万円(前年同期比115.9%)となった。
② 油圧ショベル等 国内売上高は76億3,600万円(前年同期比100.2%)と同水準、海外売上高は86億2,900万円(前年同期比80.4%)と減収となった。よって、油圧ショベル等の売上高は162億6,500万円(前年同期比88.6%)となった。
③ その他 その他の売上高は12億2,000万円(前年同期比114.7%)となった。
■今後の見通し
2027年3月期連結業績は、売上高610億円(前期比8.3%増)、営業利益6億円、経常利益1億2,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益0円を予想している。
2027年度の連結業績予想については、ウクライナや米国・中東情勢等の地政学リスクが期初段階で解消しておらず不透明な事業環境が継続するものと見込んでいる。市場全般における建設機械需要の急激な増加は見込めないものの、新型油圧ショベルシリーズの国内市場投入、インド事業の操業開始、米国市場の需要回復期待により売上高は増加を見込む。一方、損益面は営業黒字転換となるものの、資材価格・物流費の上昇懸念や財務体質改善のための弾力的な販売戦略継続により、中期経営計画で描いていた水準には届かない見通しとしている。
新たな収益の柱として期待するインド事業の早期軌道化と、製品・部品価格の適正化により収益確保に努めるとしている。
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