ハーモニック・ドライブ・システムズ、2026年3月期売上高7%増も最終利益は半減

ハーモニック・ドライブ・システムズは5月13日、2026年3月期の連結決算を発表した。売上高は前期比7.0%増の595億5,700万円となり、2期ぶりに増収を達成した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益の減少により前期比53.7%減の16億800万円となった。
営業利益は前年のわずか600万円から大幅に回復し25億6,700万円を計上。経常利益は25億3,900万円となった。会社側は製品価格改定や全社横断のコスト革新プロジェクト、工場稼働率向上による製造原価率改善などが収益性を押し上げたと説明している。

■業績回復の背景
当期の世界経済は保護主義的な通商政策や地政学リスクによる原材料価格高騰などの影響を受けつつも、全体として底堅く推移した。同社グループでは、産業用ロボット向けや生成AI関連の先端半導体製造装置向け需要が拡大。連結受注高は前期比16.2%増の616億1,300万円と大幅に増加した。
用途別では、産業用ロボット向け売上高は中国向け減を国内向け増が上回り増加。半導体製造装置向けもデータセンターや生成AI需要で回復した。一方、車載用途は顧客の生産調整で減少した。製品群別では主力の減速装置が463億3,300万円(同9.5%増)と好調だった。

■地域別セグメント動向
日本セグメントは産業用ロボットや半導体製造装置向けが伸長し、売上高266億2,600万円(同22.5%増)、セグメント利益36億9,300万円(同66.1%増)と大幅増益となった。

中国セグメントは産業用ロボット向け減により売上高40億4,600万円(同28.0%減)となったが、セールスミックスの変化でセグメント利益は3億8,200万円(同26.5%増)と伸ばした。

北米セグメントはAIロボット向けが増加し売上高121億7百万円(同4.1%増)となったが、基幹システム更新費用などでセグメント利益は5億2,800万円(同5.0%減)。

欧州セグメントは大口顧客の増加で売上高167億7,600万円(微増)と堅調。無形資産償却費の負担はあったものの、セールスミックスの改善でセグメント利益6億4,400万円(前年は損失)と黒字転換した。

■2027年3月期見通し、売上高14%増、営業利益2.4倍へ

2027年3月期の連結業績予想については、自動化投資の拡大や生成AI需要の継続を背景に売上高680億円(同14.2%増)、営業利益62億円(同141.5%増)、経常利益62億円(同144.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益45億円(同179.7%増)を見込んでいる。期末配当は1株当たり10円を予定し、年間配当は20円を維持する方針。

■新中期経営計画を策定 2030年度売上高1,000億円目指す

同社は同日、現行の中期経営計画を見直し、新中期経営計画(2026年度~2030年度)を策定したと発表した。「AIロボット」「航空・宇宙・防衛」「eモビリティ」を重点開拓分野に位置づけ、マーケティング機能強化と新製品開発力・製造力の向上に注力する。

2030年度の財務目標として、連結売上高1,000億円以上、営業利益率15%以上、ROE・ROIC10%以上を掲げた。非財務目標では2022年度比でGHG排出量30%削減を目指す。

同社は「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」というミッションのもと、持続可能な成長と企業価値向上に向けた取り組みを加速させる方針。

ハーモニックドライブの2026年3月期決算短信

中期経営計画の見直しと新中期経営計画の策定