サイボウズ、愛媛県でアリーナ建設の本格検討へ、バスケ子会社との連携で地域創生に挑む

ソフトウェア大手のサイボウズ(東京都中央区)は4月30日、愛媛県内でのアリーナ建設に向けた本格的な検討を開始すると発表した。同日開催の取締役会で決議したもので、現時点では候補地の選定や投資規模など具体的な内容は未定。年内を目途に候補地を絞り込む方針。

■バスケ参入から1年、アリーナ構想が本格始動

サイボウズは2025年6月、プロバスケットボールクラブ「愛媛オレンジバイキングス」を運営する株式会社エヒメスポーツエンターテイメントを連結子会社化し、スポーツ事業に本格参入した。傘下に入ってから初の2025-26シーズンでは、B2リーグ西地区2位となりクラブ史上初のプレーオフ進出を果たすなど、競技面でも結果を残した。

同社はスポーツ事業の成長にとどまらず、地域活性化やデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進、まちづくりへの貢献を中長期目標に掲げる。アリーナ建設はその核心プロジェクトと位置づけており、各地の施設視察や専門業者との協議を重ねてきた。今回、基本構想案がまとまったことを受け、本格的な検討フェーズへ移行する。

■建設費は最大150億円規模、Bプレミア基準に対応

基本構想案は、ローコストでのアリーナ建設を得意とするコンサルティング会社の協力のもと策定された。収容人員5,000人以上を確保し、常設VIPルームなどBプレミアの基準を満たす施設を想定。敷地面積は周辺エリアの開発を見据え、10,000㎡(100m×100m)以上が望ましいとしている。

工事費用は現時点で建設費約105億円・設備費約5億円を見込む。ただし、今後の資源高やインフレの影響によっては150億円程度に膨らむ可能性があるとし、コスト管理の難しさも率直に示した。なお、このうち同社が実際に負担する投資額は自治体や関係者との協議を経て決定する予定で、現時点では業績への影響は未定としている。

■30年後も累計赤字、それでも「オープンな議論」で活路を探る

収支シミュレーションによると、民設民営で全額自己負担した場合、アリーナ稼働開始から30年が経過した時点でも累計損失は約13億円に上る見通し。年間稼働を平日91日(稼働率約37%)・土日祝日84日(稼働率約70%)と想定し、Bリーグの試合や音楽イベントによる利用料、ネーミングライツ、飲食・物販などの収入を計上した場合でも、単年赤字が長期にわたって続くグラフが公開されている。

同社はこの試算について「投資回収が見込めないと判断した場合は建設しない結論となる可能性もある」と明記しており、プロジェクトの成否を自治体や地域住民との連携にかかっているとみる。地元企業や行政を巻き込んだ採算モデルの構築が、今後の議論の核心となりそうである。

■今後のスケジュール
同社は2026年内を目途に候補地を選定する予定。進捗については適時開示するとしている。

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