日本精工(NSK)とアクセンチュア(東京都港区)は4月27日、AIを含むデジタル技術を中核とした変革の推進に向け、戦略的パートナーシップ契約を締結した。事業運営の高度化とコスト構造改革を通じて投資余力を創出し、成長分野への再投資を進めることで、持続的成長と企業価値向上の実現を目指す。
近年の市場環境は不確実性が高まり、製造業においても迅速な意思決定と実行力が求められている。こうした背景のもと、両社は日本精工の間接部門を含む組織運営の効率化や業務プロセスの可視化を進め、ガバナンスの高度化と変化に強い組織基盤の構築に取り組む。
取り組みの柱の一つは、コスト構造改革による投資余力の創出だ。アクセンチュアの知見を活用し、既存オペレーションや業務プロセスを抜本的に見直すとともに、AIを活用した間接業務の自動化・スリム化を段階的に拡大する。これにより業務の透明性を高めつつ、経営資源を成長領域へ再配分できる体制を整える。
創出した余力は、継続的な競争力強化に向けた投資に振り向ける。具体的には、新製品・新事業の開発スピード向上や営業・マーケティング改革などを進め、収益を伴う成長施策の実行力を高める方針だ。
さらに、生産現場においてもAIとデータを活用し、意思決定の迅速化や工程の自動化・省力化を推進する。現場負荷の高い業務の高度化を進めることで、製造現場の力を最大限に引き出すとともに、アクセンチュアのリスキリングプログラムを活用した人材育成にも取り組む。
日本精工の市井明俊社長は「構造改革と成長投資を一体で回し続ける経営モデルへの進化に向けた挑戦」と位置付け、「現場力を最大化し、従業員が誇りとやりがいを持てる環境づくりを進める」とコメントした。
一方、アクセンチュアの濱岡大社長は「単なるAI導入にとどまらず、AIとデータを核に経営の仕組みを再創造する取り組み」と強調。「日本の製造業の競争力強化につながるモデルの確立を支援する」と述べた。
日本精工は1916年創業の軸受大手で、現在は約30カ国に拠点を展開し、軸受で世界3位の地位を持つ。今回のパートナーシップにより、デジタル技術を活用した全社変革を加速し、グローバルでの競争力強化を図る。