川崎重工、掻き混ぜ作業向け遠隔操作コミュニケーター「Plesio」発売

川崎重工業は9月9日、遠隔操作ロボットシステム「Successor(サクセサー)」を用いた掻き混ぜ作業などの遠隔操作・自動化に対応する新型コミュニケーター「Plesio(プレシオ)」を発売したと発表した。人の感覚や熟練技能が必要とされ、従来ロボット化が難しかった作業領域への適用を狙う。

Successorは、作業者の動きをロボットに再現する「遠隔協調」に対応した遠隔操作システム。川崎重工はこれまで、塗装や研磨などに対応したコミュニケーターを製品化し、多品種少量生産や非定常作業へのロボット導入を支援してきた。

今回発売したPlesioは、自由度と動作範囲を大きく確保するとともに、力覚フィードバック機能を搭載。作業者が実際の現場に近い感覚を得ながら、直感的にロボットを遠隔操作できるのが特徴である。

さらに、熟練作業者の操作をロボットに再現し、自動化につなげることも可能。熟練者による作業を基準として、作業品質や生産性を維持しながら自動化を進められることから、技能継承や省人化への活用も見込む。

主な用途として想定しているのが、鋳造現場における溶解炉前作業である。特に誘導炉などで発生する不純物「ノロ」を取り除く「ノロ掻き」は、1,500℃にも達する溶湯に向き合いながら、鉄製の棒状ツールを使って数十kgに及ぶノロを掻き出す危険かつ過酷な作業となる。

こうした炉前作業では、作業者の経験や感覚に基づく技能が求められる一方、高温環境にさらされるため安全性の確保も課題となっている。PlesioとSuccessorを組み合わせ、熟練作業者の動きをロボットで再現することで、作業者を高温・危険環境から離れた場所に配置し、安全性と作業環境の改善を図る。

なお、ノロ掻きなどの炉前作業に対応する「炉前作業支援ロボットシステム」は、富士電機、双日マシナリー、三明機工、川崎重工の4社が、それぞれの技術を組み合わせて共同構築した。

少子高齢化による労働人口の減少に加え、製造現場では熟練作業者の減少と技能継承が課題となっている。川崎重工はPlesioを、こうした担い手不足への対応や危険作業の自動化を実現するソリューションとして展開し、ロボットの適用領域拡大を進める。

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