日本触媒、中国JVでLiFSI電解質を大幅増産、年産1.24万トン体制へ

・EV・ESS需要拡大に対応

日本触媒(大阪市中央区)は4月28日、中国の合弁会社でリチウムイオン電池(LIB)用電解質LiFSIの製造設備を増設し、供給能力を大幅に引き上げると発表した。電気自動車(EV)および電力貯蔵システム(ESS)向け需要の拡大を背景に、段階的な能力増強を進め、2027年中に年産1万2400トン体制を構築する。

増設は、同社が出資する湖南福邦新材料において実施するもの。LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、商品名イオネル®)は、電池の長寿命化や急速充電性能、低温特性の向上に寄与する電解質として、中国市場を中心に需要が急拡大している。

湖南福邦ではこれまで、デボトルネック解消により生産能力を2022年度の年産1200トンから現在の2400トンへ引き上げてきたが、EVに加えESS用途の需要増を見据え、さらなる供給体制の強化が不可欠と判断した。今回の増設により、新たに年産1万トンの能力を追加し、既存分と合わせて年産1万2400トン規模へ拡張する。

新設設備は既存敷地内に建設し、2026年度に年産3000トン分、2027年度に年産7000トン分を順次立ち上げる計画。資金は湖南福邦の自己資金および借入金で賄い、日本触媒からの追加出資は行わない。

中国は世界最大のLIB市場であり、車載用途の高性能化に加え、再生可能エネルギーの普及に伴う蓄電需要の増大を背景に、電解質市場の拡大が続いている。日本触媒は今回の能力増強を通じて、成長市場での安定供給体制を確立するとともに、LiFSI事業の競争力強化と持続的成長を図る方針だ。

■プロジェクト概要
項目:内容
場所:中国湖南省衡陽市(湖南福邦既存敷地内)
内容:LiFSI製造設備の増設
増設能力:10,000トン/年
総能力:12,400トン/年(既存2,400トン含む)
稼働時期:2026年度(3,000トン/年)、2027年度(7,000トン/年)
資金計画:自己資金および借入金(日本触媒の追加出資なし)
事業主体:湖南福邦新材料有限公司
株主構成:深圳新宙邦科技(51.19%)、日本触媒(38.00%)、豊田通商(上海)(5.50%)ほか

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