・純利益は21.3%増、海外売上比率は47.7%に上昇
中国の大手建設機械メーカー、広西柳工股份有限公司が公表した2025年(1~12月)業績によると、売上高は前年比10.25%増の331億4,388万元(約7,623億円)、親会社株主に帰属する純利益は同21.26%増の16億923万元(約370億円)となった(1元=約23円換算)。海外売上高は157億9,369万元(約3,159億円)で同14.78%増、全体の47.65%を占めた。国内売上高も6.43%増と堅調に推移し、国内外の「双輪駆動」により持続的な成長を確保した。
以下、同社の2025年年次報告より抜粋・編集。
■2025年の業績と事業動向
報告期間中、国内事業は安定成長を維持し、海外事業は高成長を継続した。建設機械の国内販売は業界平均を12ポイント上回り、主力の土工機械は世界販売台数の伸びが業界平均を9ポイント上回り、市場シェアを拡大した。
2025年は「第14次5カ年計画」の締めくくりの年であり、建設機械業界ではイノベーション主導の高品質成長、電動化・知能化・デジタル化の進展が加速した。一方で市場は緩やかな成長にとどまり、国内市場は安定成長期に移行、海外市場は転換期にあり、年間需要は総じて横ばいとなった。
同社は新経営体制のもと、「全面ソリューション」「全面デジタル化」「グローバル化」を柱とする「三全戦略」を推進。顧客志向とバリューチェーン思考を軸に、高品質成長モデルの構築を進めた。国内市場の深耕と並行して海外展開を加速し、事業ポートフォリオの最適化と多角化を推進、収益性・品質・成長力の各面で改善を達成した。
■グローバル展開と海外事業
海外事業は過去最高を更新し、販売台数・売上高・利益・粗利率はいずれも過去最高水準となった。電動製品は60カ国以上に展開し、売上は倍増。鉱山機械も50カ国以上で販売され、新興市場では50%超の高成長を記録した。
年間で60機種以上の新製品を投入し、「製品群+ソリューション」の強化により競争力を高めた。中東・中央アジア、アフリカ、南アジアでは売上が30%以上増加。販売代理店は約400社、サービス拠点は1,000カ所超に拡大した。
ドイツ・バウマ展では電動機械や新型ホイールローダ、鉱山向けソリューションを展示し、環境性能と効率性を訴求した。
■主要事業の動向
土工機械は国内外ともに業界を上回る成長を維持し、市場シェアは約2ポイント上昇。ローダーは世界販売首位を維持し、電動ローダーは130%超の成長を達成、輸出は業界の約半数を占めた。
油圧ショベルは国内トップ3を維持し、売上は約20%増、利益は70%超の大幅増益。海外販売も約20%増と拡大した。
鉱山機械は第二の成長エンジンとして拡大し、電動ダンプトラックは159%増と急成長。ブルドーザーも大型機比率の上昇により収益性を改善した。
このほか、クレーンは売上30%増、高所作業車は40カ国以上に展開、産業車両は電動製品が80%超の成長を記録するなど、各分野で成長が進んだ。
■製造・サービスと技術開発
同社は「製造+サービス」の融合を推進し、部品供給拠点を64カ所に拡大。リースや中古機事業も強化し、設備ライフサイクル全体での価値創出を図った。
技術面では電動化・AI・デジタル化を重点投資分野とし、電動機械の累計販売は6万台を突破。無人化機械やAI診断などの実用化も進展した。
2025年は特許出願792件(うち発明302件)を実施し、標準化でも国際規格策定に関与するなど技術競争力を強化した。
■今後の業界動向と見通し
2026年は世界経済の低成長が続き、地政学リスクや貿易摩擦が海外展開の制約要因となる。一方、エネルギー転換やESG投資、インフラ需要の拡大が新たな成長機会となる。
中国国内では財政・金融政策の下支えにより、インフラ投資や設備更新需要が市場を牽引。新型インフラや環境規制の強化も設備需要を押し上げる見通し。
業界競争は「価格競争」から「価値競争」へと移行し、技術力、サプライチェーンの安定性、グローバル運営能力が競争力の鍵となる。
■同社の発展戦略
同社は「スマートでグリーンな機械で人類の力を拡張する」を使命に掲げ、「三全戦略」を軸にグローバル企業への転換を加速する。
2030年までに売上高600億元(約1兆3,800億円)超、海外売上比率60%以上を目標とし、世界トップクラスの建設機械メーカーを目指す。
土工機械を中核とする第一成長曲線に加え、鉱山機械、クレーン、産業車両などを第二の成長エンジンとして育成。さらに農業機械や産業金融など新事業を第三の成長軸と位置付ける。
■2026年事業計画
2026年は「第15次5カ年計画」の初年度として、売上高375億元(約8,625億円)を目標とする。利益率の改善とともに、グローバル展開、技術革新、ブランド強化を推進する。
重点施策として、組織改革とデジタル化の推進、電動化・知能化製品の拡充、海外拠点の拡大、サプライチェーン強化などを掲げる。
また、鉱山機械や高所作業機械、産業車両などの成長分野を強化し、新興市場でのシェア拡大を図る方針。
柳工の2025年度報告(IRページ)
深圳証券取引所(証券コード:000528)
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