ヤンマー、もみ殻バイオ炭製造装置を受注開始、年間100トンを製造

・農地施用で160トン-CO₂の炭素固定に対応

ヤンマーエネルギーシステムは9月15日、コメの収穫後に発生するもみ殻を炭化し、土壌改良材や炭素固定資材として活用する「もみ殻バイオ炭製造装置」の受注を9月から開始したと発表した。カントリーエレベーターやライスセンターなど、もみ殻を大量に扱う施設への導入を想定している。

日本のコメづくりでは、年間約200万トンのもみ殻が発生するとされる。野焼きが禁止されている地域も多く、煙や臭いに関する近隣苦情に加え、燃焼時のPM2.5や、温度管理の不備によって発生する結晶質シリカなど、処理に伴う環境面の課題が指摘されている。

同装置は、独自の燃焼方式により、もみ殻を燃焼させてバイオ炭を製造する。結晶質シリカの生成を抑制できるほか、煙や臭気の発生にも配慮した設計とした。2023年から実証試験を進め、商品化に至った。

■高温炭化でJ―クレジット創出に対応

600℃超の高温で炭化することで、J―クレジット制度における炭素残存率は通常のデフォルト値の約1.37倍として認定される。製造したバイオ炭を農地に施用することで、炭素を分解されにくい状態で長期間地中に固定できる。
装置1台当たりのバイオ炭製造量は年間100トン。これにより、年間160トン-CO₂の炭素固定が可能となる。ただし、実際の炭素固定量については、製造時および施肥時に発生するCO₂排出量を別途差し引く必要がある。

同社は、同装置に関する事業計画について、2026年8月4日付で農林水産大臣および経済産業大臣から、みどりの食料システム法に基づく「基盤確立事業実施計画」の認定を取得した。要件を満たす農業者などは、対象機械の導入に際して「みどり投資促進税制」の適用を受けられる場合がある。
化石燃料を使わず24時間運転
運転開始時は電気ヒーター(約3.2kW)で約1.5時間加熱する。その後は、もみ殻の燃焼熱によって自燃するため、化石燃料を使用しない。高温燃焼を実現することで、二次燃焼用バーナーも不要とした。

24時間平均の消費電力は約1.5kW。動力を抑えることで、省エネルギー化と静音性を両立する。自動化機能と遠隔監視システムも搭載し、夜間を含めた連続運転に対応する。

製造されるもみ殻バイオ炭は、多孔質で、くん炭に比べて表面積が大きい。肥料などの成分を吸着しやすく、農地の保水性や排水性の改善に加え、土壌改良材としての利用を見込む。

今回の商品化により、従来は処理が課題となっていたもみ殻を、土壌改良と炭素固定に活用する資源へ転換する。ヤンマーエネルギーシステムは、農業副産物の有効利用と脱炭素を両立する装置として、農業関連施設などへの提案を進める。

■装置概要
商品名:もみ殻バイオ炭製造装置
寸法(L×W×H):約20m×約9m×約6m(シャッター庫を含む)
もみ殻投入量:100kg/時(定格)
バイオ炭生成量:約25kg/時(含水率0%換算、定格)
連続運転可能時間:100時間

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