ダイキン工業は8月28日、「統合報告書2026」を公表した。2026年3月期の油機事業は、産業機械用油圧機器で国内・欧州市場の景気低迷、建機・車両用油圧機器で米国の景気減速や輸入関税の影響を受けたものの、売上高は756億円、営業利益は20億円となった。売上高は前期比5.4%増、営業利益は同17.6%増となり、収益性も改善した。
油機事業は1929年に、国内で初めて造船メーカーやエンジンメーカー向けの潤滑装置を手掛けたことを起点とする。現在は、油圧制御技術とモーター・インバータ技術を融合したハイブリッド油圧システムを強みとし、省エネ性に優れた油圧ポンプや油圧ユニットなどを開発・生産している。
2026年3月期の市場環境は、産業機械用油圧機器で国内および欧州市場を中心に景気低迷の影響から需要が低調に推移した。建機・車両用油圧機器も、米国での景気低迷や輸入関税の影響を受け、需要が減速した。
同社は、空調事業などで培った技術を油機分野にも応用し、機械の高精度化、静音性向上、小型化を実現するほか、省エネ性に優れた豊富な製品ラインアップを展開している。
中期経営計画「FUSION25」では、産業機械用油圧機器について欧州市場への本格参入とグローバル展開を進め、グローバル売上高比率を大きく向上させた。国内では需要が堅調な環境機械市場に注力し、営業力の強化や新商品の投入によって販売を拡大した。
建機・車両用油圧機器では、国内および北米市場を中心に、競争力のあるコア技術と独自の商品・販売力を強化。顧客ニーズを捉えたサービス対応力の向上にも取り組み、安定した事業基盤の構築を進めた。
製品面では、クローラ車両向けにBMV減速機付油圧モーターをグローバル展開した。可変2容量モーターと減速機を一体化した構造で、低速・高トルクを実現する製品である。
今後は中期経営計画「FUSION30」に基づき、フルードコントロール技術を核とした高付加価値商品の開発を進めるとともに、提案力・サービス力を強化し、ソリューションビジネスへの転換を図る。パートナーとの連携も推進し、油機事業のグローバル展開を加速する。
建機・車両用油圧機器では、技術力とサービス力をさらに高めながら対象領域を拡大し、成長と収益性の両立を目指す。産業機械用油圧機器では、冷媒規制や環境意識の高まりを背景に、高効率・省エネを特徴とする差別化商品の競争力を高める。欧州・国内事業では営業体制の改革とコスト競争力の強化を進め、収益基盤の強化につなげる。
■油機事業の業績
・2022年3月期 売上高425億円、営業利益39億円
・2023年3月期 売上高634億円、営業利益50億円
・2024年3月期 売上高764億円、営業利益53億円
・2025年3月期 売上高717億円、営業利益17億円
・2026年3月期 売上高756億円、営業利益20億円
■主要製品
・油圧ポンプ
・油圧バルブ
・油冷却装置
・インバータ制御ポンプ・モーター
・油圧トランスミッション
・集中潤滑機器・装置
「統合報告書 2026」(2026年3月期)
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