日本新金属、秋田工場のタングステンリサイクル設備を増強

日本新金属(大阪府豊中市)は9月9日、秋田工場(秋田県秋田市)に約80億円を投じ、タングステンリサイクル設備および湿式精錬設備を増強すると発表した。2029年4月の操業開始を予定しており、タングステンスクラップの処理能力を現在の約2倍となる年間2,400トンに拡大する。

今回の設備増強は、重要鉱物であるタングステンの国内循環と安定供給体制を強化するもの。経済産業省から重要鉱物の安定供給確保に資する供給確保計画として認定されており、投資額約80億円のうち20億円の助成を受ける。

タングステンは、超硬工具をはじめ半導体・電子材料など幅広い分野で使用されており、日本のものづくりを支える重要素材である。世界的な需要拡大や重要鉱物を取り巻く供給環境の変化を背景に、安定供給の重要性が高まっている。

同社は国内唯一のタングステン一貫生産メーカーとして、使用済み超硬工具などのタングステン含有スクラップから、パラタングステン酸アンモニウム(APT)、三酸化タングステン(WO3)、タングステン粉末、タングステンカーバイド粉末までを一貫生産している。

秋田工場は同社のタングステンリサイクルおよび湿式精錬の中核拠点であり、今回の投資では両設備を増強する。これにより、使用済み超硬工具などから回収したタングステン資源の処理能力を高め、回収資源を再びAPT、WO3、タングステン粉末、タングステンカーバイド粉末などの製品として産業界へ循環させる。

処理能力の拡大を通じて、原料調達リスクの低減やタングステンの安定供給体制の強化、国内サプライチェーンの強靱化につなげる。また、設備のエネルギー利用効率化や再生可能エネルギーの活用などを進め、温室効果ガス排出量の低減にも取り組む。

同社は今回の設備投資を通じて、秋田工場を中心とする国内タングステン循環体制を強化し、日本の製造業を支える重要鉱物の安定供給と資源循環の拡大を図る。

■ 設備投資概要
・名称:タングステンリサイクル・湿式精錬設備増強
・所在地:秋田県秋田市
・実施場所:日本新金属 秋田工場
・投資内容:タングステンリサイクル設備の増強、湿式精錬設備の増強
・投資額:約80億円
・タングステンスクラップ処理能力:年間2,400トン
・稼働開始予定:2029年4月
・助成:経済産業省から20億円

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