千代田化工、プラント価値向上基盤「plantOS® ver.3」を提供開始

・ポストEPCサービスを統合、AI・デジタルツインでO&Mを高度化

千代田化工建設は9月11日、操業・保全(O&M)ソリューションプラットフォームの最新版「plantOS® ver.3」の提供を開始すると発表した。

従来、個別に提供してきたEPC以降(ポストEPC)の各種サービスを、単一のソリューション「plantOS」に統合。プラントオーナーが保有設備の価値を維持・向上させるための包括的なO&M支援ツールとして位置づけている。

多くのプラントが設計寿命を超えて稼働を続ける中、原料性状の変動や環境規制の強化、熟練技術者の減少といった課題が顕在化している。一方で、急速に進化するAI技術は、蓄積されたプラントデータとエンジニアリング知見を、迅速かつ的確な意思決定に活かす可能性を広げている。

plantOS ver.3は「データ量」ではなく「設備そのものへの確かな知見」を基盤に、こうした機会を捉えるものだ。

■3つの柱で体系化
ver.3では、以下の3サービスを相互に補完する柱として体系化した。

  • エンジニアリングサービス:豊富なEPC実績を活かし、計画・設計から運転保守、定修、日常保全まで、プラントライフサイクル全体を統合的に支援。
  • 信頼性向上サービス:独自の診断パッケージと専門エンジニアの知見を組み合わせ、劣化評価から改善策の提案、現場実装までを一貫して提供。
  • 高度プラントデジタル化サービス:設計情報・運転データ・保全記録を統合したデジタルツインとAIを活用し、運転効率向上と異常予知を実現。自律運転に向けた段階的な高度化も支援する。

中核となる「プラントデジタルツイン®」は、単なる3Dビューアではなく、ライフサイクル全体でプラントデータを管理するベンダーニュートラルなプラットフォーム。3D・プロセスデジタルツイン、IoT、保全管理(EAM)・検査データ管理(IDMS)、ロボティクス・ドローン、データ統合基盤に加え、AIプロセス最適化エンジン「EFEXIS®」を組み合わせ、運転員がデータを素早く理解し、的確に行動できる環境を提供する。

■生成AI・エージェントAIを本格統合

ver.3の大きな特徴は、生成AIおよびエージェントAIの包括的な統合だ。パートナー企業やEFEXISが提供する専門AIエージェントを、共通のプラントライフサイクルデータ基盤上で連携させ、診断・予測・推奨を協調的に実行する。同社は長年のエンジニアリング経験に基づき、AI判断の信頼性を段階的に検証しながら、安心・安全な完全自律運転の実現を目指す。

全体を貫く原則は「まず現状診断ありき」。資産の状態を診断する独自アプローチ「AL-Dr.s(Asset Lifecycle Doctors)」を通じて、技術ありきではなく真の必要性に基づいた最適なサービスを導き出す。

根底にあるのは「Business Safety(事業安全)」という考え方だ。日常のO&Mや定修におけるリスクを体系的に制御し、人・設備・環境・事業継続に害を及ぼすことなく、生産・保全目標を継続的に達成できる能力を指す。plantOS ver.3は、人の安全(Human Safety)、設備・場所の安全(Area Safety)、無形資産の安全(Intelligence Safety)の3領域すべてを守ることを目指す。
同社はパーパスである「社会の“かなえたい”を共創(エンジニアリング)する」のもと、plantOS ver.3を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく方針。

ニュースリリース