・自動化でベーリング作業を効率化、オペレーターの負担を最大76%削減
ディア(Deere & Company)、2026年8月25日
ジョン・ディア(John Deere)は、トウモロコシの茎やわらの梱包作業を自動化する「Hands-Free Baling(ハンズフリー・ベーリング)」を、ベーリングソリューションの新たな機能として投入した。ガイダンス機能「AutoTrac™」と、ラウンドベーラー向けの「Weave Automation」を統合することで、運転者の手動操作を大幅に減らし、作業の生産性と一貫性を高める。
新システムは、ジョン・ディアの「1 Series Round Baler(1シリーズ・ラウンドベーラー)」を対象に、AutoTracガイダンス、AutoTrac Turn Automation、ゲート自動化、速度自動化、Weave Automationなど複数の技術を統合したもの。
これらの技術を連携させることで、コンバインの走行によって形成されたウインドローに沿ってトラクターを自動走行させるほか、ベーラーを左右に振る「ウィーブ」動作を自動化し、角のそろった均一なベール形成を実現する。
さらに、速度自動化とゲート自動化により、ベール形成時のトラクター速度を調整するとともに、適切なタイミングで停止し、ベールの成形、ラッピング、排出までを自動制御する。圃場端のヘッドランドでは、旋回作業も効率的かつ繰り返し行える。
ジョン・ディアのヘイ&フォレージ(牧草・飼料)機器担当マーケティングマネージャー、ケイレン・バレステロス(Kaylene Ballesteros)氏は、「ハンズフリー・ベーリング技術は、従来から提供してきたガイダンス機能AutoTracと、革新的なラウンドベーラー機能Weave Automationを組み合わせたものだ。顧客と緊密に開発したソリューションであり、反復的なベーリング作業を容易かつ効率的にする」と説明。「ベーリング工程を自動化することで、オペレーターの作業を簡素化し、ミスの発生機会を減らす」としている。
■生産性8.4%向上、燃費4.4%改善
同社の社内試験では、手動によるベーリング作業と比較して、ハンズフリー・ベーリングの導入により、ベール生産量を時間当たり最大8.4%向上できることを確認した。また、燃料1ガロン当たりの処理トン数で測定した燃料効率は最大4.4%向上。さらに、ステアリングや各種制御操作など、オペレーターの作業量を最大76%削減できるとしている。
収穫期間が限られる農業現場では、1回の走行ごとの効率が重要となる。同システムはオペレーターの手動操作を減らすことで、長時間の作業負担を軽減し、熟練度の低いオペレーターでも安定したベーリング作業を行える環境を提供する。
バレステロス氏は、「1時間当たりのベール生産量を増やしながら燃料使用量を抑え、オペレーターの操作を減らすことで、すべてのベールを生産することや、経験の浅いオペレーターに運転を任せ、その間に別の重要な作業に取り組むことが可能になる」と述べている。
■精密農業システムとの連携を強化
ハンズフリー・ベーリングは、既存の精密農業技術の価値をさらに高めることも狙う。トウモロコシや小麦の作業時にあらかじめ作成したガイダンスラインをベーリング工程でも活用することで、作物生産から収穫まで圃場全体をつなぐワークフローを構築する。
これにより、すでに保有している精密農業関連設備への投資効果を高めるとともに、ジョン・ディアの「Operations Center™」を通じた作業記録やデータの可視化にも対応する。農業経営者は、蓄積したデータを活用して作業効率や圃場運営に関する判断を行える。
■6R、7R、8Rトラクターに対応
ハンズフリー・ベーリングは、必要な精密農業技術およびWeave Automationを搭載したジョン・ディアの6R、7R、8Rシリーズトラクターと、対象となる1 Series Round Balerの組み合わせで利用できる。
同社は、10年以上前に導入したゲート自動化や速度自動化を基盤として、農業機械の自動化技術を段階的に発展させてきた。今回のシステムも、既存技術を相互に連携させることで、農業機械の自動化領域をベーリング作業へ拡大するものとなる。
ジョン・ディアは、農業、建設、林業、芝管理、パワーシステムなど幅広い分野で自動化・デジタル技術の開発を進めており、ハンズフリー・ベーリングについても、農業現場の省力化と生産性向上を図る自動化ソリューションの一環として展開する。
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