荏原製作所と日揮ホールディングスは4月14日、取締役会において、持分法適用関連会社である水ing株式会社の全株式をインフロニア・ホールディングス株式会社に譲渡することを決議したと発表した。三菱商事も同日、同様の判断で保有する全株式を譲渡することを決定した。これにより、2010年以来続いてきた荏原・日揮・三菱商事の三社株主体制は終了し、水ingはインフロニアグループの一員として新たなステージを迎える。
譲渡の理由について、両社は「ウォーターPPP(官民連携方式)導入の拡大や既設設備の老朽化に伴う更新需要の本格化など、事業環境が大きく変化する中、日本の社会インフラを中長期的に支える明確な戦略と実行力を有する最適な株主への移行が望ましい」と説明した。三菱商事も同趣旨の判断を示している。
■譲渡条件の概要
- 譲渡株式数:各社1,000,000株(議決権所有割合33.33%)
- 譲渡予定価額:各社30,400百万円(304億円)※契約書に基づく価格調整により最終確定
- 契約締結日:2026年4月14日
- 株式譲渡実行日:2026年7月1日(予定)
譲渡後、荏原製作所および日揮ホールディングスは水ingの株式をゼロとし、持分法適用関連会社から除外される。水ingの子会社である水ing AM株式会社および水ing エンジニアリング株式会社も両社企業集団から外れる見込みだ。
■水ingの概要
水ing株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:安田真規)は1977年設立。資本金55億円。水・環境プラントの運転・維持管理、設計・施工、薬品事業および事業子会社の統括を主力とする。2025年3月期の連結業績は売上高829億円、営業利益68億円と堅調に推移しており、近年はコンセッション方式への移行を視野に入れた管理・更新一体マネジメント需要の取り込みに注力してきた。
■業績への影響
日揮ホールディングスは、2027年3月期連結決算において特別利益として約200億円を計上する見込みと発表(監査前概算値)。荏原製作所についても2026年12月期に持分法投資売却益および関係会社株式売却益を計上する予定だが、金額については現在精査中としている。
インフロニア・ホールディングス(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:岐部一誠)は、2021年10月に設立された持株会社で、連結資本合計5,428億円、資産合計1兆4,507億円規模。前田建設工業をはじめとするグループ各社を通じて、社会インフラ分野でのPPP・コンセッション事業に強みを持つ。今回の買収により、水処理・環境プラント分野での総合力を大幅に強化するとみられる。
機械プラント業界では、水道・下水道・工業用水分野の老朽化更新需要が今後10年でピークを迎えると予想されており、今回の株式譲渡は「水インフラの民間主導型マネジメント体制の再編加速」を象徴する動きとして注目を集めている。