・ASEAN初のメタン排出管理実証拠点「SEA METEC」設立へ
・LNGバリューチェーン低炭素化に向けた技術連携加速
日揮ホールディングス傘下の日揮グローバルは9月17日、タイ・バンコクで開催されたGastech 2026に合わせ、PETROLIAM NASIONAL BERHAD(PETRONAS)、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、TotalEnergiesとの間で、東南アジアメタン排出管理技術評価センター「Southeast Asia Methane Emissions Technology Evaluation Centre」(SEA METEC)に関する協力覚書を締結したと発表した。日揮グローバルを代表して山田昇司代表取締役社長執行役員が署名した。
SEA METECは、石油・天然ガス生産設備などから漏えいするメタンを検知・測定する各種技術を、実際の生産環境に近い条件下で検証・評価し、測定技術のトレーニングを行う施設だ。ASEAN地域では初となる実証設備となる。覚書は、同地域におけるメタン排出管理能力の向上を目的に、測定・監視技術の試験・評価、人材育成、研究開発、知見共有などについて四者が連携して取り組む枠組みを定めている。
メタンはエネルギーバリューチェーンの温室効果ガス削減で重要な管理対象の一つだ。欧米や日本では既にメタン排出管理技術の性能評価・検証を行う実証設備が運営されているが、ASEAN地域には同様の拠点がなく、天然ガス生産設備や海上設備など地域特有の操業環境に適した管理手法の確立が課題となっていた。測定技術の性能評価や人材育成を実施できる拠点整備への期待が高まっていた。
2024年10月、JOGMECとPETRONASはASEAN Energy Sector Methane Leadership Programme 2.0(ASEAN MLP 2.0)の枠組みで、ASEAN初となるSEA METEC設立に向けた連携を発表。以降、日揮グローバルはJOGMEC・PETRONASとともに、基本設計、技術評価手法の検討、人材育成プログラムの策定支援を進めてきた。
日揮グローバルは天然ガス・LNG分野の豊富なEPC実績に加え、メタンを含むGHG排出量定量化サービス「HiGHGuard®」を提供。2023年には日揮ホールディングス技術研究所(茨城県大洗町)にアジア初のメタン排出管理技術評価設備を開設し、ドローンや赤外線カメラ、固定式センサーなど多様な技術の評価を実施している。評価技術を活用した実フィールドでの測定サービスや技術コンサルティングも展開中。さらに、JOGMECが実施したSEA METEC設立に向けた技術検討業務などを受託し、基本設計検討や技術評価・トレーニングプログラムの策定を支援してきた。
今回の覚書締結を通じ、日揮グローバルはPETRONAS、JOGMEC、TotalEnergiesと連携し、ASEAN地域におけるメタン排出管理技術の評価・検証、人材育成、ベストプラクティス共有に貢献する方針。
日揮グループは2026年5月策定の新中期経営計画「BSP2030」で、技術を活かした一歩先のソリューション提案を基本姿勢に据える。これまでのプラントエンジニアリング技術、メタン排出量定量化技術、技術評価設備運営の経験を活かし、SEA METECの発展と東南アジア地域のメタン排出管理能力向上を支援。天然ガス・LNGサプライチェーン全体の低炭素化を進め、現実的かつ持続可能なエネルギートランジションの実現を目指す。
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