・大型熱真空試験設備の仕様・整備計画・経済性を検討、2027年度まで
日揮ホールディングスは9月2日、国内事業会社の日揮が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の企画型競争入札事業「次世代スペースチャンバシステム整備 フィージビリティスタディ(FS)」の実施事業者に選定されたと発表した。2026年8月に選定され、2027年度までの予定で、次世代の宇宙機試験インフラ整備に向けた実現可能性調査を進める。
同FSでは、大型真空容器を中心とする試験設備および関連施設について、設備・建屋仕様、整備計画、経済性などを検討する。
スペースチャンバは、宇宙空間と同等の熱真空環境を地上で再現し、人工衛星や宇宙望遠鏡などの宇宙機について、打上げ前に性能や品質、信頼性を検証するための設備。国内の大型熱真空試験設備は限られており、JAXA筑波宇宙センターに設置されている国内最大級のスペースチャンバも長期間にわたり運用されている。
宇宙機開発が国内外で活発化するなか、試験インフラの強化が求められており、今回整備を検討する次世代スペースチャンバは、今後の国内宇宙機開発を支える研究開発基盤として期待される。
日揮は、プラント・施設のEPC(設計・調達・建設)で培った技術・ノウハウを活用し、設備・建屋仕様の具体化から整備計画、経済性まで多面的に検証する。
同社グループは、LNGプラントなど低温流体を扱う大規模設備の計画・建設で豊富な実績を持ち、熱真空試験設備に求められる極低温環境に関する知見を蓄積している。また、80カ国、2万件以上のプロジェクトを手掛けてきたプロジェクトマネジメント力を生かし、設備の機能・品質・工期・コストの最適化を図る。
今回のFSで得られた知見・成果については、将来的なEPC事業への展開を視野に入れ、実装まで一貫して担うことを目指す。
日揮グループは2026年5月に策定した新中期経営計画「BSP2030」で、顧客とともに課題に挑む「一歩先のソリューション提案」を基本姿勢に掲げている。JAXA関連では、2026年7月にも「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの詳細設計及び要素試作試験等」に採択されており、宇宙分野でプラントエンジニアリング技術を活用した事業展開を強化している。
今後、次世代スペースチャンバの整備検討を通じて宇宙分野での技術基盤を拡充し、日本の宇宙開発力向上への貢献を目指す。
画像は、既設の直径13mのスペースチャンバ(JAXA提供)
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