・VDMA第3四半期調査 「慎重な楽観」も、独立地コストと対中競争が重荷に
ドイツ機械工業連盟(VDMA):2026年10月14日
ドイツ機械工業連盟(VDMA)は10月14日、2026年第3四半期の景況調査結果を発表した。自社の現状を「良い」または「非常に良い」と評価した企業は約34%となり、7月調査の28%から上昇した。一方、「悪い」「非常に悪い」とする企業も約22%あり、業況は二極化している。調査は10月初旬に実施し、約800社が回答した。
■先行きにも明るさ
今後6カ月の見通しも改善した。業況の好転を見込む企業は33%(7月は25%)に増加し、悪化を予想する企業は10%にとどまった。
売上高では、2026年に名目ベースでの増収を見込む企業が約57%、横ばいが22%、減収が21%だった。2027年については62%が名目での増収を見込んでおり、楽観論がさらに強まっている。
■防衛・航空宇宙・医療が追い風、AI投資も寄与
VDMAによると、顧客産業ごとの明暗は依然大きい。成長の原動力は防衛産業、航空宇宙産業、医療技術だ。電機・電子産業もAI関連の大型投資の恩恵を受けている。機械工業自体を顧客とする分野の評価も、やや改善した。
一方、自動車産業と化学産業は国際競争の圧力が強く、厳しい状況が続く。自動車への依存度が高い専門分野の影響が大きく、ロボット・オートメーション分野の現状は「まだら模様」との評価が主流だ。ただし産業用画像処理などの一部分野の好調もあり、見通しは改善した。建設産業の景況感は、小幅な改善にとどまり慎重なままである。
■雇用は依然厳しく 2019年以降で約10万人減
雇用面では厳しい状況が続く。VDMAは今後数カ月も人員削減が続く可能性が高いとみる。52%の企業が現有人員の維持を見込む一方、30%超が追加の削減を迫られると回答し、採用拡大を計画する企業は18%にとどまった。
VDMAのヨハネス・ゲルナント(Johannes Gernandt)主席エコノミストは「近年の相次ぐショックと産業の変革が企業に深い爪痕を残した。2019年以降、独国内の機械・プラント産業では約10万人分の雇用が失われた」と述べている。
■政治に改革を要求
ゲルナント氏は調査結果について「慎重な楽観を抱かせるものだが、環境は依然として厳しい。地政学的混乱と中国との競争激化で、多くの企業が限界に近づいている。独立地のコストは高すぎる。政治は改革の停滞をいい加減に解消すべきだ」とコメントした。
売上期待の高まりと一部顧客産業からの追い風が楽観論を支える一方、国際競争圧力、高コスト、雇用調整が引き続き大きな課題となっている。
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