世界の油圧ショベル市場、年間57万台・650億ドル規模に、需要の伸びは建機全体を上回る

・英調査会社が特別リポートで5つの潮流を提示、電動化・中国勢の台頭が焦点

オフハイウェイ・リサーチ(Off-Highway Research):2026年10月15日

オフハイウェイ・リサーチ(英国KHLグループ)は10月15日、世界の油圧ショベル(エクスカベータ)産業に関する特別レポートを発表し、OEMや部品サプライヤー向けに主要な5つのトレンドを明らかにした。

同社によると、昨年の世界油圧ショベル販売台数は57万台超、小売金額は約650億ドルに達した。レポートは350ページにわたり、市場規模・構造・価値・競争環境を詳細に分析し、地域別・機種別の予測も提示している。

■主なトレンドは以下の通り。

■油圧ショベル需要が他機種を上回る成長

ミニ・ホイール・クローラを含む油圧ショベルの長期年平均成長率(CAGR)は4.6%で、建設機械全体の3.5%を上回る。現在、世界で販売される建設機械の約2台に1台が油圧ショベルとなっており、20年前の3台に1台から比率が上昇。今後も全体市場を上回る成長が続く見通し。

■新興国市場が最大の成長機会、ただし変動に備えを

新興国での油圧ショベル販売は過去20年で7〜20倍以上に拡大し、今後も高成長が期待される。一方、先進国市場に比べて急激なピーク・ボトムが発生しやすく、短期的な変動に耐える体制が必要。

■台数だけでなく市場価値に着目

市場構造(大型機・小型機の選好)、規制による仕様、顧客の期待値、価格水準などが市場価値や収益性に大きく影響する。例えば、北米市場は中国市場より台数で約10%小さいが、ドル建て価値では50%上回る。

■電動化の転換点か

これまで建設機械の電動化はホイールローダや鉱山・採石用ダンプが中心で、油圧ショベルは遅れていた。2026年に入り、中国の複数都市で大気質改善を目的としたディーゼル機規制が始まり、高油価も相まって電動油圧ショベルへの関心が高まっている。中国での急速な普及が、充電インフラやロジスティクスの課題解決を促し、世界全体の電動化を後押しする可能性がある。

■中国メーカーの台頭と全体拡大

10年前、中国OEMの世界シェアは6%だったが、2025年には30%に拡大。日本OEMは49%から34%に低下した。ただし、市場全体の拡大により、本社所在地にかかわらずほとんどのOEMが販売台数を増やしている。

また、昨年販売された油圧ショベルの約10%は、非中国OEMが中国で生産したもの。中国が世界最大の生産国となったが、全体の市場拡大がすべてのメーカーに恩恵をもたらしている状況だ。

レポートは、これらのトレンドを踏まえ、OEMや部品サプライヤーが今後の成長機会をどう捉えるかを示している。

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