サンドビックの26年7〜9月決算、売上は29%増の377億SEK、調整後EBITA53%増で利益率22.5%に上昇

サンドビック(Sandvik):2026年10月22日

スウェーデンのサンドビック(Sandvik AB、本社:ストックホルム)が発表した2026年第3四半期(7〜9月)決算によると、売上高は前年同期比29%増の377億2,800万SEK(約6,036億円)となった。調整済EBITAは同53%増の84億7,700万SEK(約1,356億円)、当期利益は同63%増の57億7,200万SEK(約924億円)だった。マシニング部門とマイニング部門が好調で、調整後EBITA率は目標レンジを上回る22.5%に達し、フリー・オペレーティング・キャッシュフローは過去最高となった。
※1SEK(スウェーデンクローナ)は約16円。

■2026年第3四半期業績ハイライト
受注総額:369億4,800万SEK(前年同期は307億6,900万SEK)と前年同期比20%増加。為替レート固定では17%増、オーガニックベースでも17%増。
総売上高:377億2,800万SEK(同292億1,800万SEK)と前年同期比29%増加。為替レート固定では26%増、オーガニックベースでは25%増。

調整後EBITA:84億7,700万SEK(同55億3,900万SEK)で、利益率は22.5%(同19.0%)に上昇。比較可能性に影響する項目は-7,000万SEK(同+6,300万SEK)。

当期純利益:57億7,200万SEK(同35億3,800万SEK)、希薄化後1株当たり利益は4.60SEK(同2.82SEK)。調整後の希薄化後1株当たり利益は4.64SEK(同2.81SEK)。

フリー・オペレーティング・キャッシュフロー:71億6,700万SEK(同56億300万SEK)と前年同期比28%増加。財務純有利子負債/EBITDA比率は0.9(同1.2)に改善した。
ブック・トゥ・ビル・レシオは98%。

なお、2026年1〜9月累計では、受注が16%増の1,115億300万SEK、売上高が19%増の1,051億6,400万SEK、調整後EBITAが229億2,000万SEK(利益率21.8%)、当期利益が42%増の148億8,500万SEKだった。

■最高経営責任者(CEO)のコメント:Stefan Widing(ステファン・ヴィディング)社長兼CEO

幅広い分野で需要が続き、優れたオペレーション遂行が力強い売上成長につながった。有機的な受注・売上高はそれぞれ17%、25%増加し、調整後EBITA率は22.5%と目標レンジを上回った。フリー・オペレーティング・キャッシュフローは72億SEKと過去最高となった。

鉱業部門では、良好なコモディティ価格と高い生産水準に支えられ、有機的な受注が11%増加した。アフターマーケット事業が16%増と牽引し、装備事業は高い比較対象のもとで前年並みを維持した。大型受注を除く装備事業は23%増だった。有機的な売上高は23%増。過去18カ月で拡大した納入能力により、受注残を効率的に売上へ転換できたという。当四半期には世界の顧客約600社を集めた「Future of Mining」イベントを開催し、完全自律型のバッテリー電動式サーフェス・ドリリング(地表掘削)のコンセプトマシンを披露した。

岩石処理(ロック・プロセッシング)部門は、有機的受注が8%減少し、売上高は横ばいだった。インフラ分野の需要は解体・リサイクルが牽引して堅調で、鉱業向け需要も良好だったが、前年の大型受注の反動が出た。当四半期にはDiemme® Filtration社の買収を完了し、アフターマーケット基盤の大きい高成長事業をグループに迎えた。

マシニング部門は、有機的受注・売上高がそれぞれ33%、35%増と力強く伸びた。一般産業の需要改善や航空宇宙・防衛分野の高い活動に加え、価格施策、市場シェア拡大、顧客の事前購入が寄与した。垂直統合型のビジネスモデルにより、自社鉱山、リサイクル、粉末製造能力を生かして超硬粉末と切削工具の双方を安定供給できる点が強みとなっている。粉末事業の受注・売上高はタングステン価格の大幅上昇を背景に前年の2倍超となった。

インテリジェント・マニュファクチャリング部門も、有機的な受注・売上高がそれぞれ12%、11%増加した。北米と航空宇宙・防衛分野が特に強く、ソフトウェアライセンス事業は2桁成長、サブスクリプションへの移行も順調に進んでいる。9月には米シカゴの工作機械見本市IMTSに出展した。
「サンドビックは、事業ポートフォリオ、戦略、オペレーティングモデルの強さを示し続けている。顧客中心のアプローチとイノベーションへの徹底した注力により、各事業で主導的な地位を維持している。マクロ環境の変化にも俊敏に対応しながら、堅実な財務成果を上げた」

■受注および収益の市場動向

鉱業分野:高いコモディティ価格が活発な事業活動を支え、ブラウンフィールド投資が主な成長ドライバーとなった。グリーンフィールド案件や更新需要も順調。設備稼働率の高さと設置機器の老朽化を背景に部品・サービス需要が拡大し、デジタル・自動化ソリューションへの関心も堅調だった。

インフラ分野:解体・リサイクル分野や米国市場を中心に、需要は引き続き堅調だった。
製造分野:製造業指標は緩やかな回復を示し、一般産業の需要は前年から改善した。航空宇宙は大手メーカーの豊富な受注残に支えられ、防衛は地政学的な不安定さを背景に力強く成長した。タングステンコストの上昇を反映した切削工具の値上げが事前購入を促し、供給制約と高い市場活動がタングステン粉末の需要を支えた。

APT・Argusのスクラップ価格は前四半期比で下落したものの、前年水準を大きく上回った。

グループ全体の受注は20%増(為替固定ベースで17%、うちオーガニック17%)、売上高は29%増(同26%、うちオーガニック25%)。為替の影響は受注・売上高ともに+3ポイントだった。

■部門別事業動向
<Mining(マイニング)>

受注高は前年同期比15%増の194億200万SEK。為替固定ベースでは11%増、うちオーガニックも11%増。アフターマーケットがオーガニックで16%増となった一方、装備は前年並み。大型受注は2件・計7億SEK(前年同期は16億SEK)で、これを除くオーガニック受注は18%増。
売上高は28%増の195億2,500万SEK(オーガニック23%増)。アフターマーケットが売上高の67%(前年同期71%)、装備事業が33%(同29%)を占めた。

調整後EBITAは42億5,900万SEK、利益率は21.8%(同20.1%)。オーガニックの営業レバレッジは31%だった。

Future of Mining 2026では、自律型バッテリー電動サーフェスコンセプトマシンや地下鉱山用トラック「Toro® TH663i Gen2」を披露し、地盤支保のデジタルソリューション「xCell® Banshee」「xCell® Hydra」も投入した。フィンランド・タンペレでの削岩機の生産能力拡大や、アルゼンチンでのサービス・研修体制の強化も進めている。

<ROCK PROCESSING(ロック・プロセッシング:岩石処理)>

受注高は前年同期比2%減の26億7,000万SEK。為替固定ベースでは6%減、うちオーガニックは8%減。装備のオーガニック受注が27%減、アフターマーケットは7%増だった。前年同期にあった大型受注(1億8,900万SEK)を除くと、オーガニック受注は1%減。

売上高は7%増の27億9,100万SEK(オーガニックは横ばい)。調整後EBITAは4億1,800万SEK、利益率は15.0%(同15.1%)。納入時期のずれなどから、オーガニックの営業レバレッジはマイナスとなった。

9月に軽量級の鉱物処理向け標準化スクリーン「Compact Screens」(7機種)を発売。9月1日にはイタリアのDiemme® Filtration社(濾過・脱水ソリューション大手)の買収を完了した。同社は新設の「Filtration」部門として報告される。

<Machining(マシニング)>

受注高は前年同期比35%増の140億3,200万SEK。為替固定ベースでは33%増、うちオーガニックも33%増。地域別のオーガニック受注は北米46%増、欧州31%増、アジア24%増。切削工具のオーガニック受注は価格と数量の両面から19%増となり、粉末事業は受注・売上高とも2倍超に拡大した。

売上高は37%増の144億5,900万SEK(オーガニック35%増)。
調整後EBITAは37億2,000万SEK(同20億1,000万SEK)、利益率は25.7%(同19.0%)と大幅に改善した。増量効果、粉末事業、コスト削減(8,200万SEK)が寄与したほか、タングステン価格動向に伴う一時的なタイミング効果が1億400万SEK(利益率換算で約0.7ポイント)あった。オーガニックの営業レバレッジは45%。

10月最初の2週間の切削工具の日次受注は、季節性を考慮すると第3四半期から安定していた。ただし、価格改定時期に絡む事前購入の影響で、受注トレンドの不確実性は通常より高いとしている。

<Intelligent Manufacturing(インテリジェント・マニュファクチャリング)>

受注高は前年同期比25%増の8億4,400万SEK。為替固定ベースでは24%増、うちオーガニックは12%増。オーガニックではアジア21%増、北米14%増、欧州7%増。ライセンス・サブスクリプションともに2桁のオーガニック増だった。

売上高は23%増の9億5,200万SEK(オーガニック11%増)。
調整後EBITAは2億5,800万SEK、利益率は27.1%(同22.0%)。買収・事業再編の効果が利益率を4.2ポイント押し上げた。

7月にMastercam Indiaと米CAD/CAM Consulting Services Inc.(CCCS)の主要資産を買収。シカゴのIMTS 2026では、設計・加工・品質データを製造ライフサイクル全体でつなぐ「Manufacturing Lifecycle Management(MLM)」構想を披露し、構成要素の「Inspection Flow」が高い関心を集めた。

■重要事項
9月1日、Diemme® Filtration社の買収を完了した(2026年の売上高は約11億SEKの見込み、従業員約200人)。
9月9日には、マシニング部門のNadine Crauwels(ナディーヌ・クラウウェルス)社長が退任の意向を表明した。後任が決まるまで職務にとどまり、その後は一定期間アドバイザーを務める。後任選定は開始済みで、2026年末までの就任を目指している。

7月には、産業用計測ソリューション事業(ZeroTouch®)を売却した。第3四半期に4,500万SEKの売却損を計上している。
2026年1〜9月に完了した買収は9件。第3四半期終了後の重要事項は特にない。

■通期見通し・財務目標

サンドビックは市場見通しや業績予想は公表していないが、2026年第4四半期については、9月30日時点の為替レートに基づき、為替の影響が調整後EBITAに対して+6億SEKになると見込む。タングステン価格に伴う一時的効果は限定的としている。また、関税還付により受注・売上高が約4億SEK減少する見込みだが、調整後EBITAの絶対額への影響はない。設備投資(キャッシュベース)は2026年通期で40〜45億SEK、純支払利息は-7億SEK、税率は23〜25%(正常化ベース)と見積もっている。

2025〜2030年の戦略期間における長期財務目標(4項目)は据え置き:為替固定ベースで景気サイクルを通じた有機・M&A込みの成長率7%、調整後EBITA率20〜22%、配当性向(調整後EPSの50%)、財務純有利子負債/EBITDA比率1.5倍未満(大型変革的M&Aを除く)。

次回イベントとして、11月24〜25日に資本市場説明会(Capital Markets Day)を予定している。

ニュースリリース

第3四半期レポート

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