アトラスコプコ、2026年第3四半期は売上高が過去最高、半導体向け真空機器がけん引し増収増益

アトラスコプコ(Atlas Copco):2026年10月22日

アトラスコプコは10月22日、2026年第3四半期(7~9月)決算を発表した。半導体業界向け真空機器の需要が大きく伸び、受注高は前年同期比29%増の523億3,800万スウェーデンクローナ(SEK、約8,374億円、16円換算)となった。売上高も479億2,000万SEK(約7,667億円)と過去最高を更新した。

受注高は前年同期の405億1,700万SEKから29%増え、有機ベースでも25%増となった。売上高は前年同期の416億2,100万SEKから15%増(有機ベース11%増)。営業利益は99億5,000万SEK(前年同期85億4,600万SEK)で、営業利益率は20.8%(同20.5%)に改善した。

比較可能性に影響する項目を除いた調整後営業利益は101億9,500万SEK(同88億6,200万SEK)で、利益率は21.3%と前年同期と同水準だった。税引前利益は97億8,900万SEK(同84億5,600万SEK)、営業キャッシュフローは87億2,800万SEK(同73億3,000万SEK)。基本的1株当たり利益は1.58SEK(同1.37SEK)、投下資本利益率(ROCE)は24%(同25%)だった。

バグナー・レゴ(Vagner Rego)社長兼CEOは、「アトラスコプコ・グループの製品、サービス、ソリューションに対する需要全体は非常に強く、受注は大幅に増加した」とコメント。「ほとんどの機器セグメントが堅調な成長を遂げ、サービス事業も引き続き好調に推移した」と述べた。

さらに、「非常に強い受注と過去最高の売上高を達成できたことを誇りに思う。今後も顧客支援に注力するとともに、各セグメントの足元の市場環境に合わせて事業を適応させていく」とし、引き続き顧客対応と事業運営の最適化に取り組む姿勢を示した。

市場環境について同社は、「機器・サービスに対する需要は非常に強く、受注は大幅に増加した」と説明。成長は主に半導体業界向けの真空機器需要がけん引し、他の大半の製品群やサービス事業も堅調に伸びた。前四半期比では、有機ベースの受注量はほぼ横ばいだった。地域別の受注は北米、アジア・オセアニアがともに現地通貨ベースで39%増となり、全地域で前年を上回った。

短期見通しは「顧客活動は現在の水準を維持する」とし、7月16日公表の従来予想を据え置いた。

なお1~9月累計は、受注高が17%増の1,486億8,400万SEK(約2兆3,789億円)、売上高が6%増の1,334億3,400万SEK(約2兆1,349億円)、営業利益が7%増の274億6,000万SEKだった。

■事業部門別動向(第3四半期)

<コンプレッサ・テクニック(Compressor Technique)>

  • 受注高:MSEK 20,418(前年同期比8%増)
  • 売上高:MSEK 20,399(7%増、有機5%増)
  • 営業利益:MSEK 4,804(1%減)
  • 営業利益率:23.6%(前年同期25.3%)

産業用コンプレッサ、ガス・プロセス圧縮機ともに受注が増加した。為替の悪影響や販売構成の変化、サプライチェーン関連コストの増加で利益率は低下した。空冷式流体クーラー「TVD22-29」を投入したほか、ポルトガルのラゾアル(LusoAr)、米国の3Cインダストリアル(3C Industrial)、豪州のコンプレッサーズ・オーストラリア(Compressors Australia)、アイルランドのホール・パイク(Hall Pyke)など4社を買収した。

<バキューム・テクニック(Vacuum Technique)>

  • 受注高:MSEK 16,659(87%増、有機82%増)
  • 売上高:MSEK 12,257(33%増、有機28%増)
  • 営業利益:MSEK 2,726(61%増)
  • 営業利益率:22.2%(前年同期18.5%)

半導体・FPD向けは主要顧客からの需要増で受注が急増し、過去最高水準となった。産業用・科学用真空機器の受注も過去最高。売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。産業用真空ポンプの新シリーズ「GHS 402-1002 VSD+」を投入した。

<インダストリアル・テクニック(Industrial Technique)>

  • 受注高:MSEK 7,053(14%増)
  • 売上高:MSEK 6,745(4%増、有機2%増)
  • 営業利益:MSEK 1,260(7%増)
  • 営業利益率:18.7%(前年同期18.0%)、調整後20.6%(同18.8%)

自動車向けは設備投資を背景に受注が堅調だったが、前四半期比では欧州・アジアで減少した。一般産業向けはエレクトロニクスや航空宇宙などで大きく伸びた。ドイツの自動車関連事業のリストラ費用1億3,200万SEKを計上した。大型ボルト締結向けの「スマート・テンショニング・システム(STS)」を発表した。

<パワー・テクニック(Power Technique)>

  • 受注高:MSEK 8,411(25%増)
  • 売上高:MSEK 8,711(25%増、有機14%増)
  • 営業利益:MSEK 1,595(34%増)
  • 営業利益率:18.3%(前年同期17.0%)

可搬型コンプレッサや産業用ポンプの需要が拡大し、スペシャルティ・レンタルやサービスも伸びた。買収の寄与は売上高で10%だった。新型可搬発電機「QAC 1000 TwinPower」を投入した。

■期末後の動き

同社は10月2日、中国の産業用冷暖房機器メーカー、ユーロクリマット(Euroklimat Air-Conditioning & Refrigeration Co., Ltd.)の全株式取得を発表した。2025年の売上高は約18億SEK(約288億円)、従業員は約1,000人。プロセス冷却やエネルギー変換など産業用途向けの冷暖房ソリューションを手がけ、コンプレッサ・テクニックのオイルフリーエア部門に加わる。

■ アトラスコプコ・グループについて

アトラスコプコ・グループは、コンプレッサー・真空機器、エネルギーソリューション、排水・産業用ポンプ、産業用電動工具、組立システム、マシンビジョンなどを展開する産業機械メーカー。2025年の売上高は1,680億SEK(約2兆6,880億円)で、グループ従業員数は約5万6,000人となっている。

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