コネクレーンズ(Konecranes):2026年10月23日
コネクレーンズ(フィンランド)は10月23日、2026年1~9月期の中間決算を発表した。同期の受注高は前年同期比0.3%増の33億1,820万ユーロ(約5,840億円、176円換算)、売上高は0.1%増の30億2,880万ユーロ(約5,331億円)となった。一方、比較可能EBITA(利払い・税引き・無形資産償却前利益)は4億740万ユーロ(約717億円)となり、前年同期の4億2,420万ユーロから減少した。
7~9月期は、納入が堅調に推移し、売上高が前年同期比11.4%増の11億150万ユーロ(約1,938億円)となった。比較可能EBITAは1億7,220万ユーロ(約303億円)に増加したものの、比較可能EBITA利益率は前年同期の16.7%から15.6%に低下した。
■2026年7~9月期の業績
受注高は前年同期比12.0%減の10億1,130万ユーロ(約1,780億円)となった。為替変動の影響を除いた比較可能為替ベースでは12.7%減。産業サービス事業と産業機器事業では受注が増加した一方、港湾ソリューション事業では減少した。
売上高は11.4%増の11億150万ユーロ(約1,938億円)。産業サービス事業と港湾ソリューション事業が増収となり、産業機器事業は前年同期並みだった。
比較可能EBITAは1億7,220万ユーロ(約303億円)と、前年同期の1億6,490万ユーロから増加した。比較可能EBITA利益率は15.6%で、前年同期の16.7%を下回った。
事業別の比較可能EBITA利益率は、産業サービス事業が23.7%(前年同期22.7%)、港湾ソリューション事業が12.0%(同11.8%)に上昇した一方、産業機器事業は10.9%(同14.1%)に低下した。
フリーキャッシュフローは1億4,580万ユーロ(約256億円)、基本的1株当たり利益は0.50ユーロだった。
■2026年1~9月期の業績
1~9月期の受注高は前年同期比0.3%増の33億1,820万ユーロ(約5,840億円)、比較可能為替ベースでは1.2%増となった。産業サービス事業と産業機器事業で受注が増加したが、港湾ソリューション事業では減少した。
受注残高は8.0%増の33億230万ユーロ(約5,812億円)となり、比較可能為替ベースでは6.9%増加した。産業サービス事業と産業機器事業の受注残高は前年同期を上回り、港湾ソリューション事業はおおむね前年同期並みだった。
産業サービス事業のサービス契約基盤価値は5.1%増の3億5,170万ユーロ(約619億円)となり、比較可能為替ベースでは3.0%増加した。
売上高は0.1%増の30億2,880万ユーロ(約5,331億円)。産業機器事業が増収となった一方、産業サービス事業と港湾ソリューション事業はおおむね前年同期並みだった。
比較可能EBITAは4億740万ユーロ(約717億円)で、前年同期の4億2,420万ユーロから減少。比較可能EBITA利益率も14.0%から13.4%に低下した。事業別では、産業サービス事業が21.8%、港湾ソリューション事業が11.0%とそれぞれ前年同期並みだったが、産業機器事業は8.5%から7.5%に低下した。
フリーキャッシュフローは1億6,020万ユーロ(約282億円)、基本的1株当たり利益は1.16ユーロ。純有利子負債はマイナス1億760万ユーロ(約マイナス189億円)、ギアリング比率はマイナス5.0%となった。
■事業別の動向
産業サービス事業の7~9月期の受注高は、為替影響を除く比較可能為替ベースで前年同期比1.2%増の4億ユーロ(約704億円)となった。近代化案件が減少したものの、受注は増加した。売上高は2.4%増の3億9,800万ユーロ(約700億円)。比較可能EBITA利益率は23.7%と高水準を確保した。業務遂行の改善と価格面での好影響が利益率を押し上げた。
サービス契約基盤も比較可能為替ベースで3.0%拡大した。また、同社は保有するサービス関連データの活用を進め、コネクレーンズ・ポータル向けのAIアシスタントを投入した。顧客や営業部門が、設備やサービスに関するニーズを効率的に特定できるよう支援する。
産業機器事業では、外部向け受注高が比較可能為替ベースで3.0%増の3億3,800万ユーロ(約595億円)となった。一般製造業、電力、鉱業向けで良好な需要がみられた。一方、外部向け売上高は1.6%減の3億200万ユーロ(約532億円)となり、比較可能EBITA利益率は10.9%に低下した。主に販売数量の減少と、前年同期に計上した一時的なプラス要因の反動が影響した。
港湾ソリューション事業では、受注高が比較可能為替ベースで36.7%減の2億8,800万ユーロ(約507億円)となった。製品分野全般で顧客の引き合いは活発だったが、四半期中の受注時期が不利に働いた。一方、納入は堅調で、売上高は28.3%増の4億2,000万ユーロ(約739億円)となった。比較可能EBITA利益率は12.0%に改善し、主に販売数量の増加が寄与した。
■2026年通期見通し
同社は2026年の通期業績見通しを据え置いた。2026年の売上高は2025年とおおむね同水準か増加、比較可能EBITA利益率は2025年とおおむね同水準になると予想している。
産業顧客向けの需要環境は健全な水準を維持する見通し。港湾顧客向けでは、コンテナ取扱量が引き続き高水準にあり、長期的なコンテナ荷役市場の見通しも良好としている。ただし、地政学的な情勢や貿易政策を巡る緊張に伴う不確実性は依然として高いと指摘した。
■成長戦略と収益性の向上
同社は9月24日に新たな戦略を発表し、収益性を伴う成長の加速を重点方針に掲げた。既存の事業領域で製品・サービスの提供範囲と地理的な展開を拡大し、顧客分野での存在感を強化することで、市場シェアの拡大を目指す。
独自技術への投資を継続するとともに、設備や稼働に関するデータを活用し、AIの利用を拡大する。収益性目標の達成に向けては、事業規模の拡大による利益率改善を主要な推進力と位置付け、効率化と業務運営の卓越性を追求する。新たな機器・サービス製品によって顧客価値を高めると同時に、コスト効率の改善も図る。
資本配分方針も見直し、事業運営や技術への投資、更新した配当方針に基づく株主還元、重点分野での買収を進める。余剰資金がある場合には自社株買いも検討する方針で、戦略と資本配分方針の発表に合わせて自社株買いプログラムを開始した。
気候変動対策では、2019年を基準年として、2050年までにスコープ1、2、3の温室効果ガス排出量を絶対量ベースで90%削減する長期目標を新たに設定した。持続可能性を戦略全体に組み込み、長期的な企業価値の創出につなげる。
CEOのマルコ・トゥロカス(Marko Tulokas)氏は、7~9月期について、納入が堅調で収益性も高水準を維持したと評価した。9月に発表した新戦略と引き上げた財務目標については、成長への重点的な取り組みと、より高い事業目標を反映したものと説明した。
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