岡野バルブ製造、製造業向け調達支援システム「IoM調達」を正式提供開始

岡野バルブ製造(北九州市小倉南区)は10月16日、グループ企業のオルターブースと共同開発した製造業向け調達支援システム「IoM調達」の正式提供を開始した。6月に開始したα版の検証を経て、約100社へのヒアリングやモニター企業の意見を反映し、実運用に向けて機能や操作性を改善した。見積もりから発注、納品、検収、納期・取引先管理、調達分析までを一元管理し、AIを活用した調達業務の半自動化を目指す。正式提供に合わせ、製造現場の意見を機能改善に反映する先行導入パートナー20社の募集も開始した。

■調達業務の属人化を解消

製造業では、原材料価格の高騰やサプライヤーの休廃業などを背景に、調達環境が厳しさを増している。一方、調達業務では依然として紙やFAXに依存するケースが多く、担当者の経験や判断に頼る属人的な運用が課題となっている。日常業務に追われ、新たな調達先の開拓や代替サプライヤーの確保に十分な時間を割けない状況も生じている。

岡野バルブ製造が2016年から運営してきた加工受託の受発注マッチングサービスでは、利用企業を対象とした調査で68.2%が「調達の難易度が年々高まっている」と回答した。こうした課題を踏まえ、自社の製造現場で培った知見を生かし、調達業務の効率化と標準化を支援するシステムとして「IoM調達」を開発した。

岡野バルブ製造は1926年の創業以来、発電用高温高圧バルブの設計、素材開発、機械加工、溶接、組み立て、検査、メンテナンスまでを一貫して手がけ、電力インフラを支えてきた。2026年11月に創業100周年を迎えるに当たり、「社会インフラを守る」「地域創生と人材育成を担う」「未来の産業基盤をつくる」の3つを柱に事業を展開する。「IoM調達」は、このうち「未来の産業基盤をつくる」事業の第1弾に位置付ける。

開発を担ったオルターブースは、マイクロソフトのクラウド基盤「Azure」を軸に企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する企業。2026年3月に岡野バルブ製造のグループ企業となり、製造現場の知見とデジタル技術を組み合わせ、製造業に特化した調達支援サービスを実現した。

■AI活用で調達業務を半自動化

「IoM調達」は、多品種少量生産や個別受注型のものづくりに特化した調達支援システム。ブラウザ上で利用でき、専用ソフトのインストールは不要。案件ごとの進捗状況を可視化し、作業の抜け漏れや人為的なミスの削減を支援する。

主な特徴は次の通り。

・AI学習による調達業務の半自動化:過去の見積もり、発注、納品、検収などの対応履歴を活用し、各社の判断基準や取引実績を踏まえた調達ルートを提案する。担当者は提案内容を確認し、最終判断に集中できる仕組みを目指す。

・新規案件への対応を支援:寸法や仕様が異なる類似案件だけでなく、新規案件についても過去の対応履歴を基に調達ルートを提案する。各社固有の判断基準を生かしながら、調達業務の標準化を後押しする。

・調達業務を一元管理:見積もり、発注、納品、検収から納期管理、取引先管理、調達分析までを一元化する。工程ごとに異なるシステムを使用する企業や、Excelで管理する企業の業務環境を改善し、調達業務全体の効率化を図る。

α版からの改善では、対応が必要な情報を画面上で分かりやすく表示する通知機能を拡充。ユーザーインターフェース(UI)とユーザー体験(UX)を改善したほか、利用者ごとの権限設定や管理機能を実装し、コメント機能も改良した。操作性と情報共有の利便性を高め、実際の製造現場での利用を想定した機能強化を進めた。

■先行導入パートナー20社を募集

正式提供に合わせ、製造現場の意見を取り入れながらシステムを改善する先行導入パートナーを20社募集する。対象は、主に多品種少量生産や個別受注型の生産を行い、国内調達を中心とする国内製造業の調達部門。

参加企業には、導入初期の特別価格、専任チームによる導入支援、機能要望の優先的な反映、共同での導入事例発信や登壇機会を提供する。参加企業には導入効果に関するヒアリングや、導入事例としての取材・記事化への協力を求める。

申し込みは、サービスサイト(https://lp.iom-chotatsu.com/)の問い合わせフォームから、「先行導入パートナーの件について」と記入する。

■サービス概要

名称:IoM調達
提供開始日:2026年10月16日
開発:岡野バルブ製造、オルターブース
対象:多品種少量生産・個別受注型のものづくりを行う製造業
主な機能:見積もり・発注・納品・検収管理、納期管理、取引先管理、調達分析、AIを活用した調達ルートの提案
サービスサイト:https://lp.iom-chotatsu.com/

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