ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2026年10月20日
ボッシュ・レックスロスとボッシュ・マニュファクチャリング・ソリューションズ(Bosch Manufacturing Solutions)は、水素技術世界博覧会(Hydrogen Technology World Expo)2026で、商用車向け水素充填ステーションのターンキーソリューションを発表した。両社はこれにより、大型車両向け水素インフラの経済的な整備・拡大を支援する。極低温ポンプユニットを備えた充填ステーションは、1時間あたり最大8台の大型トラックに充填可能で、平均航続距離1,000キロメートルを確保できる。これにより、水素駆動の大型車両は、充填時間と航続距離の点でディーゼル車と同等の競争力を持つ条件を実現する。
この大型車両向けターンキー充填ソリューションの中核となるのは、ボッシュ・レックスロスが開発した統合型クライオポンプ(CryoPump)モジュール。ポンプ、油圧、制御機能を1つのユニットに集約している。充填ステーション側では、液体水素タンク、気化器、ディスペンサーを設置するだけで済む。
特許取得済みのクライオポンプを用いることで、充填ステーションは液体過冷却水素と高圧気体水素を同時に大型車両のタンクに直接供給できる。これにより、北米と欧州で主流の水素トラック・バス向け両コンセプトに対応する。大型車両への直接充填により、水素充填ステーションの技術的複雑性が大幅に低減する。計画・建設コストが削減され、高圧部品の必要数が少なくなり、設置スペースも縮小する。高圧貯蔵設備とチラーを不要とすることで、充填ステーションの投資コストを最大50%削減できる。
■175台のバス向け水素充填ステーションを建設
複雑で追加的なモジュールを必要としないコンパクトな完全ソリューションとして、この革新的なポンプ技術を採用した初のステーションは、2025年10月から米カリフォルニア州オークランド港で実績を積んでいる。ボイルオフ損失の最小化と長いメンテナンスサイクルにより、運用コストを最大70%削減する。日常運用で得た経験を踏まえ、サンフランシスコ近郊サンマテオ郡の公共交通バス事業者サムトランス(SamTrans)が導入を決定した。米国の水素インフラ企業ファステック(Fastech)との協力により、ボッシュ・レックスロスは2027年にサムトランス向けに、175台の水素バスを充填するステーションを建設する。
■欧州でも実証済み技術を展開
欧州の市場環境も良好に推移している。例えば、ドイツ連邦交通省は2026年に、水素充填ステーションインフラの拡大と水素駆動大型車両の開発を支援するため、2億2,000万ユーロの助成プログラムを設けた。
ボッシュ・レックスロスは、フィールドで実証済みの駆動・制御技術を欧州でも提供する。クライオポンプを備えた充填ステーションは、高圧縮気体水素だけでなく、過冷却液体水素(sLH₂)も供給する。sLH₂技術は主に欧州で定着しつつある。ボッシュ・マニュファクチャリング・ソリューションズは、技術計画、プロジェクトエンジニアリング、その他のすべてのコンポーネント・モジュールの統合を担当する。このターンキーソリューションは、欧州における水素インフラの迅速かつ経済的な拡大を支援する。
■ターンキーソリューションで複雑性を低減
完全ソリューションには、水素充填ステーションの計画、設計、試運転が含まれる。高可用性の量産部品を基にした革新的な電気油圧ソリューションとモジュール設計により、複雑性が低減し、プロジェクト期間が短縮される。大型車両への効率的な直接充填と、長いメンテナンスサイクルを持つ電気油圧の堅牢性により、投資・運用コストを新たな経済水準まで引き下げた実績がある。
ボッシュ・レックスロスとボッシュ・マニュファクチャリング・ソリューションズは、水素技術世界博覧会でホールB6、ブース6C14に出展する。
■ ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)について
ボッシュ・レックスロスは、駆動・制御技術の世界的リーディングサプライヤーとして、あらゆる規模の機械・システムに効率的で強力かつ安全な動きを提供する。モバイル・産業用途およびファクトリーオートメーションの市場セグメントでグローバルな応用経験を集約し、インテリジェントなコンポーネント、カスタマイズされたシステムソリューション、エンジニアリング、サービスを通じて、完全接続アプリケーションの環境を構築している。油圧、電動駆動・制御技術、ギア技術、リニアモーション・組立技術(ソフトウェアおよびIoTインターフェース含む)を提供。80カ国超に拠点を持ち、約3万1,900人の従業員が2025年に65億ユーロの売上を計上した。
ボッシュグループ (Bosch Group)は、技術とサービスのグローバルリーディングサプライヤー。2025年12月31日時点で世界約41万3,000人の従業員を擁し、同年売上は910億ユーロ。事業はモビリティ、産業技術、消費財、エネルギー・ビル技術の4セクターで構成される。オートメーション、デジタル化、電化、人工知能などの普遍的トレンドを技術で支えることを目指し、地域・産業横断の幅広い事業基盤が革新性と堅牢性を強化している。「Invented for life」の技術で生活の質向上に貢献する。
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