・遠心式水素圧縮機による世界初の大規模パイプライン実証へ
川崎重工業は10月20日、東京で開催された「日ルーマニア・イノベーションフォーラム」において、ルーマニアの国営ガス輸送会社Transgaz(トランスガス)と、陸上水素ガス輸送に関する戦略的提携に合意し、覚書(MOU)を締結したと発表した。日本・ルーマニア両国の政府関係者立ち会いのもとでの調印となった。
両社は今回の提携に基づき、Transgazが中東欧で構想する陸上パイプラインによる大規模水素ガス輸送の実現に取り組む。Transgazのパイプラインに関する豊富な経験・知見と、川崎重工の遠心式水素圧縮機技術を組み合わせ、中東欧におけるエネルギーハブとしてのルーマニアの機能強化と、周辺国への安全・安定的な水素供給・輸送モデルの構築を目指す。
協業の第一段階として、ルーマニア国内で川崎重工の遠心式水素圧縮機「KM Comp-H₂」を用いた純水素の陸上水素ガス輸送の実証試験を開始する予定。本実証は、経済産業省の「令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業(ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化)」に採択された「ルーマニア/水素サプライチェーンFS実証事業-陸上水素ガス輸送向け遠心式水素圧縮機-」として実施するもので、パイプラインによる大規模水素ガス輸送の実現に向けた取り組みとしては世界初となる(同社調べ、2026年10月現在)。
水素エネルギーの普及には供給コストの低減が不可欠で、大量の水素を高効率に輸送できる陸上パイプラインへの期待が高まっている。実現には大容量の純水素ガスを限られたスペースで効率的に高圧縮する技術が必要であり、川崎重工は本実証を通じ、これまで培ってきた遠心式水素圧縮機技術を基盤に、効率的な陸上水素ガス輸送の実現を目指す。
同社はパイプラインによる大規模な水素ガス輸送の確立を進めるとともに、タービン、エンジン、運搬船、タンクなど多様な水素関連製品との連携を通じて水素サプライチェーンを構築し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針。
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