・プラットフォームレベルでAIエージェントを実装、エンジニアリングから運用まで対応
・第三者エージェントや任意のAIモデル、ローカル/クラウド推論に対応
・2027年初頭の正式提供を予定
ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth AG):2026年9月30日

ボッシュ・レックスロスは9月30日、オートメーションプラットフォーム「ctrlX AUTOMATION(コントロールエックス・オートメーション)」にエージェンティックAI(agentic AI)をプラットフォームレベルで統合すると発表した。中央AIエージェントが自動化の知識・データ・機能にアクセスし、目的に応じて必要なスキルやツールを活用する仕組みで、ユーザーが目標を指定すればエージェントが必要なタスクを実行する。アシスト型AIから、自動化環境と積極的に協働するエージェンティックAIへの移行を実現し、機械・システムのライフサイクル全体でAIを活用する基盤を整える。
同社は「PLCプログラミング向けの次期コパイロットを開発するのではなく、AIが自動化を理解し、積極的に協働できるようにすることを目指している。アシスト型からエージェンティックAIへの決定的な一歩を踏み出した」と、オートメーション&エレクトリフィケーションソリューション事業部のシュテフェン・ウィンクラー(Steffen Winkler)上級副社長(セールス担当)はコメントしている。
従来のAIアシスタント(同社の「Ask iXi」チャットボットなど)は質問への回答やドキュメント説明、コード生成にとどまるが、新エージェント「Agent iXi(エージェント iXi)」はタスクを個別ステップに分解し、自動化環境の機能を直接利用する。特にコーディングでは、高レベル言語やオープンAPI、ctrlX AUTOMATION SDKを基盤に、GitHub Copilotなどのコーディングアシスタントを活用したアプリ・プログラム開発が可能だったが、ctrlX PLC EngineeringおよびctrlX I/O Engineeringへのモデルコンテキストプロトコル(Model Context Protocol、MCP)インターフェースにより、Agent iXiはエンジニアリングコンテキスト内でIEC 61131-3コードを直接生成し、I/Oを自動設定する。アシスト型コード生成からエージェンティック・エンジニアリングへと進化させた。
Agent iXiはユーザーと自動化環境をつなぐ役割を担い、コンポーネント・トポロジー選定支援、モーション・ドライブ設定、I/O・HMI設計、プログラミング、システム監視、ドキュメント作成など幅広いタスクに対応する。例として3軸ハンドリングシステムでは、従来は軸設計、キネマティクス設定、PLCプログラム作成など多数の手順が必要だったが、Agent iXiは構造図面と自然言語によるタスク記述を受け取り、軸・キネマティクス作成から希望動作のPLCプログラム生成までを行う。ユーザーは技術的な各ステップを自ら実行する代わりに、望む結果を記述するだけで済み、エージェントがエンジニアリング手順を処理して機能する自動化ソリューションに変換する。プロセスは常にユーザーに透明である。
MCPによりエージェントは自動化環境と安全にやり取りする。オープン標準であるMCPは大規模言語モデルやAIエージェントをソフトウェア・システムと接続する。ctrlX AUTOMATIONに統合することで、エンジニアリングツール、オペレーティングシステムctrlX OS、稼働中のアプリなどへの標準化されたアクセスを実現する。ctrlX Data Layerがプラットフォーム内のデータ・機能への継続的かつ安全なアクセスを提供し、通信は暗号化・認証され、ログインユーザーの権限を考慮する。これによりエージェント(または接続されたAIモデル)がアクセス可能なデータ・機能を精密に制御でき、情報受信だけでなく自動化環境での作業が可能になる。
スキルが自動化向けの重要なコンテキストを提供する。特定タスクに必要な知識とルールをエージェントに与え、例えばモーションアプリケーション作成時は対応するキュレートされたスキルを使い、ctrlX AUTOMATION内での軸・キネマティクス作成方法を把握する。同社は「1エージェント・多数スキル」の原則を採り、タスクごとに別エージェントを使うのではなく、中央エージェントが必要な能力を都度呼び出す。各アプリが独自スキルを持ち込めるアーキテクチャのため、アプリの新機能や強化がエージェントの能力拡大につながる。第三者アプリも専門知識をAI利用可能にでき、ctrlX AUTOMATIONのオープンエコシステムにより検証済みAI能力の範囲が広がる。
AI対応設計は特定のAI環境に縛られないことも意味する。自社エージェントに加え第三者エージェントの接続が可能で、基盤となる大規模言語モデルも特定モデルに限定されない。企業は要件や既存AIインフラに応じて異なるモデルを接続できる。推論の場所も自由で、クラウドベースに加え、将来的に高性能AIモデルのローカル実行を可能にする計画がある。AMDと共同でctrlX OS上でAIをローカル実行するハードウェア基盤を開発中で、機密性の高いエンジニアリング・機械データを現地で処理し、推論のためにローカル環境を離れる必要をなくす。
ウィンクラー上級副社長は「エージェンティックAIが新たな技術的ロックインに終わってはならない。ユーザーはAIを使うかどうか、どのエージェント・AIモデルを使うか、推論をどこで行うかを自ら決められるべきだ。この選択の自由をctrlX AUTOMATIONの自動化コンテキストと組み合わせる。モジュラーアプリコンセプトにより機能はいつでも柔軟に拡張でき、AIを使いたくない場合は単に機能をインストールしなければよい」と述べている。
エンジニアリングでエージェントが自動化とのインタラクションを根本的に変えることを示しているが、同社のアプローチはさらに先を見据える。ctrlX AUTOMATIONは自動化ライフサイクルの異なるタスク・フェーズでAIを活用できるよう設計されており、アプリ・データ・自動化機能をAI対応アーキテクチャで相互接続する。AIを支援ツールから自動化の主要プレーヤーへと変え、ライフサイクル全体でのエージェンティック・オートメーションの基盤を創出する。
Agent iXiはすでにctrlX AUTOMATION顧客によるベータテストで使用されており、今後数カ月で対象顧客を拡大し、2027年初頭の正式提供を予定している。
■ ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth AG)について
ボッシュ・レックスロスはドライブ・制御技術の世界的サプライヤーで、あらゆる規模の機械・システムにおける効率的・強力・安全な動きを実現する。モバイル・産業用途および工場自動化の市場セグメントでグローバルな応用経験を集約し、インテリジェントコンポーネント、カスタマイズシステムソリューション、エンジニアリング・サービスを通じて完全接続アプリケーションの環境を整える。油圧、電気ドライブ・制御技術、ギア技術、リニアモーション・組立技術に加え、ソフトウェアとIoTインターフェースを提供する。80カ国超に拠点を持ち、2025年は約3万1,900人の従業員で売上高65億ユーロを計上した。
ボッシュグループはテクノロジーとサービスの世界的サプライヤーで、2025年12月31日時点で約41万3,000人の従業員を擁し、売上高910億ユーロを記録した。モビリティ、産業技術、消費財、エネルギー・建築技術の4事業分野で事業を展開し、自動化・デジタル化・電化・人工知能といった普遍的トレンドを技術で形作ることを目指す。ハードウェア・ソフトウェア・サービスの専門知識を活かし、クロスドメインソリューションをワンストップで提供するとともに、接続性と人工知能の専門性を活用してインテリジェントで使いやすい製品を開発・製造する。「Invented for life」の技術で生活の質向上に貢献する。
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