・ブランド・販売店網とグローバル技術基盤を融合
ヤンマーホールディングスは9月3日、芝生管理や除雪などに使用するOutdoor Power Equipment(OPE)の大手メーカー、米国ウィスコンシン州のAriensCoの過半数株式を取得することで最終契約を締結したと発表した。通常のクロージング条件を前提としており、取引完了後もAriens家が一定数の株式を保有する。AriensCoは現行の経営体制とブランドを維持し、同州ブリリオンを拠点に事業を継続する。
OPEは、芝刈り機や除雪機など屋外で使用する作業用機器の総称。今回の提携では、AriensCoが持つ確立された製品ブランド、販売店ネットワーク、OPE市場に関する知見と、ヤンマーのグローバルな事業基盤、エンジニアリング力を組み合わせ、事業の持続的な成長と顧客・販売店への提供価値向上を目指す。
OPE業界では、自動化や電動化、代替燃料、人工知能(AI)の活用に加え、グローバルサプライチェーンの複雑化などを背景に事業環境が大きく変化している。両社はそれぞれの技術・事業基盤を活用し、住宅オーナーやプロフェッショナルユーザーのニーズに対応する製品・サービスの開発を進める。
販売網の強化も今回の提携の狙いの一つ。AriensCoとヤンマー双方の販売店は、今後、より幅広い製品・技術を取り扱えるほか、サービスや診断機能の充実、ヤンマーのグローバルネットワークを生かした北米での事業基盤を活用できるようになる。両社は、これまで培ってきた販売店や顧客との信頼関係を維持しながら、サービス体制の強化につなげる。
AriensCoは、取得後も「Ariens(アリエンス)」「Gravely(グレイブリー)」「AS-Motor(ASモーター)」などの企業・製品ブランドを継続する。従業員、販売店、顧客に対する事業の継続性を重視し、両社のファミリー企業としての長期的視点や信頼を基盤に協業を進める。
ヤンマーホールディングスの山岡健人代表取締役社長は、「AriensCoは、長年にわたり信頼されるブランドと、顧客および販売店との強固な関係を築いてきた。今回の提携を通じ、それぞれの地域社会で暮らし、働く人々にさらなる価値を提供したい。本提携は両社の長期的な成長と企業価値向上を支える強固な基盤になる」とコメントした。
一方、AriensCoのDan Ariens(ダン・アリエンス)会長兼CEOは、「ヤンマーとの新たなパートナーシップは、当社を研究開発分野のリーダーとしてさらに発展させ、品質と耐久性へのこだわりを維持するための最適な次の一歩」とし、「AriensCoはファミリーによるオーナーシップを維持しつつ、事業の継続性を確保する」と述べた。
AriensCoは1933年設立の非上場OPEメーカー。ウィスコンシン州ブリリオンに本社を置き、創業家の第4世代・第5世代が経営を担う。「Ariens」「Gravely」「AS-Motor」のブランドでOPE製品を展開している。
なお、今回の取引でヤンマーは財務アドバイザーにJPモルガン、法務アドバイザーにArnold & Porter s.c.を起用している。