・海外現地生産も視野
・ロボット溶接自動化などで省人化・高生産性を実現、年間生産量の半分程度を内製化
技研製作所は9月29日、鋼矢板の硬質地盤への圧入を可能にする「硬質地盤クリア工法」と鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法™」で使用される消耗部品について、2026年9月から高知第二工場で一部自社生産を開始したと発表した。開発型企業としてファブレス経営の基本姿勢は維持しつつ、自然災害やシステム障害など不測の事態によるサプライチェーン上のリスクに対応するBCP(事業継続計画)の一環として、年間消費量の多い消耗部品を内製化する。海外需要の高まりを背景に、安定供給体制の確立とコストダウンを通じて国際競争力の維持につなげる。
アジアや欧州への工法普及加速に伴い、「オーガケーシング」「オーガスクリュー」「オーガヘッド」「リングビット」などの関連消耗部品は今後さらなる需要拡大が見込まれる。一方、国内生産を担うサプライヤーでは技能者の高齢化や人手不足が懸念され、生産体制維持への継続的な対応が求められている。同社は産業用ロボットによる溶接の自動化に加え、消耗部品に特化した専用機械設備を開発し、省人化と高い生産性を実現。年間総生産量の半分程度を自社で賄う計画だ。
■自社生産する主な消耗部品は以下の通り。
- オーガケーシング:オーガスクリューの外周を覆う鋼製の筒状部品。掘削方向の精度向上や掘削範囲の最小化を図り、圧入作業を安定させるガイド機能を担う。
- オーガスクリュー:「硬質地盤クリア工法」で地盤掘削を行うらせん状(ドリル状)の部材。回転しながら地盤を掘削し、杭の圧入を促進する。
- オーガヘッド:オーガスクリュー先端に取り付ける切削部品で、地盤を直接掘削する刃先部分。地盤条件や施工機種ごとにさまざまな形状が採用される。
- リングビット:「ジャイロプレス工法™」で使用する切削爪。円筒状の鋼管杭先端部に取り付ける。
海外への工法普及では、圧入機ユーザー向け総合支援サービス「GTOSS™(ジトス)」の展開により、技術指導やメンテナンス支援、部品供給体制が強化された。これに伴い、「硬質地盤クリア工法」や「ジャイロプレス工法™」の海外展開が急速に進む。都市開発が活発なシンガポールや洪水対策需要が高まる欧州に加え、老朽化インフラ更新が進む北米市場でも採用の動きが活発化している。
消耗品については現在も国内からの輸出供給に依存するケースが多く、関税や輸送費の影響で海外ユーザーの調達コスト増加が課題となっている。自社生産過程で蓄積した製造ノウハウやシステムは、将来的な現地供給体制の構築や調達コスト最適化の基盤となる。内製化による最適な製造方法の確立と標準化を進め、海外での現地生産も視野に入れ、圧入工法のグローバル展開を加速させる方針。
技研グループは「圧入原理」を世界に先駆け実用化した油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー™」を製造販売し、無振動・無騒音、省スペース・仮設レス、地震や津波・洪水に耐える粘り強いインフラの急速構築といった価値を提供。採用実績は40以上の国と地域に広がっている。
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